鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「ハッピーエンドじゃない」と歴史は語っているけど…:読書録「サムライ・ノングラータ」

・サムライ・ノングラータ Ⅰ・Ⅱ

著者:矢作俊彦、司城志朗

出版:SB文庫(Kindle版)

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先日、ホノルルに行った時、最高裁判所の展示を見て、何となく嫌な感じがしたんですよね。

「西洋の法制度をハワイの原住民にもたらした。凄いやろ〜!」

みたいな雰囲気で(まじめに展示の英語を読んだわけじゃないんで、あくまで「印象」w)。

で、外に出たら、カメハメハ大王が通りの向こうの「イオラニ宮殿」を指差してて、なんだか、

「奪還を!」

って煽ってる感じもあってw。

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…で、その時、昔読んだ本作を思い出し、その場でKindleで購入した次第。

読んだのは1ヶ月後ですがw、


最初に読んだのは、ノベルズで出た時でしょうね。

 

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「海から来たサムライ」

84年出版ですから、この時はまだネット検索なんかない時代。

面白く読んだものの、虚実入り混じった本作の「実」の部分を調べるのも手間でした。(だから調べなかったんですがw)

ハワイの米国への統合…あたりは図書館か、ツアーガイドで確認した覚えが。

「カイウラニ王女」については「実在の人物」ってくらいの認識だったかなぁ。


「サムライ・ノングラータ」になって文庫化されたのを読んだのは2000年代に入って…のはずですが(07年6月初版)、その時はちょっとは調べたかな?

「カイウラニ王女は美人だった」って記憶が残ってたしw。


まあ、現在なら、結構なことがネットで調べられます。

ハワイ統合の経緯も、

カイウラニ王女の「その後」も。

 

<カイウラニ王女>(ウィキペディア)

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/カイウラニ


それを踏まえての感想としては、

「え、ココからどうなんの?」


ハワイが結局米国領になるのは、まあ歴史的事実として、そこから史実上、カイウラニ王女が亡くなるまで、本作の時代から5、6年。

その間に何があったのか。

いや、その「史実」は本作物語上、どう扱われるべきなのか?(もしかしたらまた「影武者」が…)

…とか思わざるを得ません。

「真珠湾攻撃」を

<一度目は悲劇として、二度目は茶番として。>

とかってまとめられるより、よっぽどそっちの方が気になるw。


…まあ、構想はあったんじゃないかなぁ。

あったけど、面倒臭くなって、ココまで、と。

なんか勿体ないけど、「続編」は期待しません。

「矢作俊彦」だもん。


上巻はオンボロ船での海洋冒険

下巻はナバロン並みの要塞攻略


エンタメ冒険小説として、大風呂敷を広げた姿勢は、昔も今も評価されてしかるべき作品だと思います。

ただまあ、スッキリはせんのよね。ココで終わるとw。


まだハワイは「海から来たるもの」を待っているのかもしれません。