鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

なりきり!チェット・ベイカー:映画評「ブルーに生まれついて」

「MILES AHEAD」を観終わって、

「そういや同じ時期に公開されてた…」

と言うことで、この作品。

イーサン・ホークが「チェット・ベイカー」になり切ってますw。

 

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ブルーに生まれついて

 

この作品は1970年代、チェット・ベイカーが麻薬がらみの喧嘩で表舞台を去ってから、復帰するまでを描いた物語。

「なるほど、こんなことが…」

と思って、後から調べたら、

「ほとんどフィクション」!

何より彼を支える女性が、全くの<架空の人物>という…。

「MILES AHEAD」もそうだったけど、なまじリアリティがあるだけ、こっちの方が罪が深いのではないか、と。

物語としては、非常によくできてるんですけどねぇ。まあ、「物語だから」と言う…w。

 

(ちなみに実際のチェット・ベイカーの人生においては、本人も相当にどうしようもない人物だっただけでなく、関係した女性たちも問題が多かったようです。

真偽のほどはわかりませんが、菊地成孔さんの評をご参考までに。

 

<菊地成孔『ブルーに生まれついてBORN TO BE BLUE』を語る>

https://miyearnzzlabo.com/archives/41279

 

冒頭、50年代のチェット・ベイカーを、驚くほどの「2枚目ぶり」でイーサン・ホークが演じます。

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終盤、色々あってくたびれ果てたベイカー。

でもそれでもカッコいいんですよね、これが。

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晩年のチェット・ベイカーは<皺くちゃおじさん>になっちゃうんだけどw。

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<ジャズ>のある種のファンタジーを描いた映画。

と言えますかね。

言葉を選ばずに言えば「懐古趣味」。

それが悪いわけじゃなくて、実際、僕も音楽も物語も楽しみました。

 

ただまあ、「前向き」じゃあないなぁ、とは思います。

「MILES AHEAD」に比べれば、映画としての完成度は数段上でしょう。

好き嫌いでも、映画としてはコッチの方が僕も好きですよ。

でも主人公を比べると、「MILES AHEAD」の方がイイなぁ。

 

どっちも「クズ野郎」ではありますがw。

(ま、もともとチェット・ベイカーの演奏は「ブルー」過ぎて、チョイと苦手だったってのもあるんだけど。

夜のバーでのBGMとしてはともかく)