・鍵のない家 ハワイ資産家殺人事件
著者:E・D・ビガーズ 訳:大野晶子
出版:ハウオリブックス(Kindle版)
1920年代に書かれた古典本格推理小説。
中国人名探偵チャーリー・チャンの初登場作となります。(って、僕は他のチャーリー・チャン作品は読んだことないんですがw)
ただまあ、今となってはワイキキの名門ホテル「ハレクラニホテル」のオープンエアーのカジュアルレストランの名前の方が知れてるでしょうね。
そのHouse without a keyが、この小説の題名から名前を取られているとのことです。
今回のハワイ旅行でも、ランチを取る予定だったんですが、ホテルのトラブルでやむなくキャンセル。
次こそは…と思ってます。(あるかどうかは分からんけど)
小説時代はオールドスタイルの本格推理小説。
過去の因縁
莫大な財産への欲望
名誉と実利
一風変わった名探偵
…そしてロマンスw
まあ、ロマンスについては主人公(チャンではない方)はフラフラし過ぎですがねw。
ただ今となっては本書の読みどころは「ハワイ」の情景でしょう。
王国が終焉し、西洋化されつつあるハワイ。
米国の貴族社会が持ち込まれながら、未だかつての現地の社会的な色彩も残っており、太平洋航路の中間点としての多様性の交差も感じられる。
登場人物たちは80年代(1880年代ねw)のロマンチックなハワイを懐かしんでいますが、今読むと、ここで描かれたハワイにもロマンチックなところがあります。
それでいて、今も変わらぬ、ハワイの魅力もまた…。
個人的にはそんな感じで読みました。
推理小説としては…ま、こんなもんかなw。