鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

説明能力も批判能力も問われている:金融庁の市場ワーキンググループ報告について(年金問題)

降って湧いたような「年金問題」。

メディアや与党の批判、ネットを中心とした悲鳴・揶揄(w)を経て、麻生大臣の「謝罪」に至ってます。

 

ま、しかしどうですかね?


<元の発表>

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html

 

<ネット上の解説>色々ありますが…

https://news.yahoo.co.jp/byline/syunsukeyamasaki/20190527-00127495/

https://www.takarabe-hrj.co.jp/journal/485

 

ポイントは、

「平均寿命が大きく伸びてきた中で、自分が望むような生活を死ぬまでしようと思うと、年金だけでは資金が足りなくなる可能性がある」

「したがって、<年代別に>その資金を増やすような努力をした方が良い」

…と言うところ。

この<望むような生活をするための資金不足>が「2000万円」ということですね。

 

金融庁側の発表が分かりにくには確か。

大体「年金」の所管は厚労省。本報告書は金融庁が「高齢化時代における金融サービス・商品の検討」のためにまとめたもので、そもそも立ち位置が違っているってのもあります。

ただ「骨子」の部分は「分からない」ってことはないでしょう。(とくにマスメディアは)

そういう意味で批判する側のミスリーディングは責められるべき。

 

一方でこのモデルが物凄く単純化されてるってことも事実で、そのことが全体像を見えにくくしているというのもあると思います。

そこら辺はこのブログが触れてます。

https://www.landerblue.co.jp/45812/

 

要は「高齢者でも資金状況は千差万別」ってこと。

そして多くの高齢者は必要とされている資産を超えた資産を既に持っている。

従って今後運用が必要であるとされる層は、むしろ若い層であり、それはそれでチャンスも機会もあるのだから、一聴に値する意見なんじゃないか…と僕は思います。

(現在の高齢者に「運用しろ!」って言っても、限界もリスクもありますからね)

 

ただ世代を通じて、「資産がない層」が一定程度存在するのも確か。(どの世代にも貯蓄0層が3割ってのは個人的には結構インパクトあります)

特に世代が上がるほど、この層は「運用によるリスク軽減」がしづらくなるので、結果的に厳しい状況に陥っていくリスクもあります。

 

その支援をどうするか。

「自己責任」と言うのか、一定程度の支援は社会として提供していくのか、だとしたらそのバーはどうするのか?

 

ある種「生活保護」にも通じる選択を迫られる話ではあります。

まあだからこそ金融庁の中間報告は「全体像」で誤魔化してるのかもしれません。

そこには確かに「分断」の芽がありますから。

(厚労省が公的年金で維持できる生活レベルをどう考えてるかってのはあまりしらないんですが、そもそもこう言う思想があるところを考えると…

https://diamond.jp/articles/amp/203451?display=b  )

 

ただこういうところに目を瞑っちゃアカンと思うんですよ。

そしてその点を冷静に分析・解説し、問題意識の喚起や課題提起をしていくのがメディアの仕事だし、それらを踏まえて「選択肢」を提示するのが野党の存在意義でしょう。

今の「騒ぎ立て」にはそういう責任感が感じられなくて、なんだか「失望」ばかりが募ります。

年金とか社会保障の話というのは、社会の安定を支え、分断を回避していくための物凄く重要な問題だと思います。

だからこそ冷静に状況を分析し、感情に流されない議論を社会全体でして行くべきだ…と言うのが僕のスタンスです。

 

まあ、でも今回の騒動がそう言うことを考える一つの「キッカケ」にはなったかもしれませんね。

ブログや記事でいろいろな意見が出てきてますし、もう少ししたらそう言う点も踏まえた報道や記事、書籍なんかも出て来ることが期待できるかも。

その意味じゃ、「観測気球」としての意義が、あの報告にはあったのかも…。

 

とは言え、さて自分はどうすんだよ…ってのもあるんですけどねぇ。

う〜ん…