鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

(覚え)モビリティ革命:MaaSの日本での可能性

書籍「MaaS」の読書感想はアップした通り。

http://aso4045.hatenablog.com/entry/2018/12/08/211936

 

そこでもコメントしましたが、日本での可能性について、覚えをまとめておきます。

あくまでも現時点での個人的見解。

 

1 「MaaS」の活用は「①観光向け」「②日常活用」の2面が考えられる。

 

2 「観光向け」は日本でも普及する可能性はあるし、既に具体的な動きも見られる。

観光は「ハレ」の行為なので、多少の移動のハードル(価格、利便性)も甘受される可能性が高いことが大きい。(要は「ラストワンマイル」が問題視されないケースが多い)

<小田急MaaS 箱根、江ノ島、新百合ヶ丘が19年の候補に>

https://trend.nikkeibp.co.jp/atcl/contents/watch/00013/00180/

課題としてはサービスの一環としての「民泊」かも。外国人観光客の受け入れ態勢が足りないし、ホテル・旅館は高止まりする可能性が高い。

 

3  「日常活用」はハードルがある。

一番は「自宅」から「公共機関の拠点」をつなぐ「ラストワンマイル」のツールの欠如。

諸外国ではココをUberやDiDiが担っているが、日本はタクシー業界の反対が強く、導入ができていない。

一方、それをタクシーが代替できているかというと、「台数が全く足りない」「価格が高い」「サービスの質がバラツキがある」等、全く対応できていない。

(僕の自宅周りを走ってるタクシーは少ないし、タクシーアプリで予約しようにも、台数不足で成立しないケースも多い)

 

4  「ラストワンマイル」を担うのは自動車メーカー/ディーラーが担う「カーシェア」「シェアライド」の可能性はある。ここは「自動運転車」に置き換えられるエリアでもある。

ただこの実現のスピード感については、(既得権益の抵抗もあり)疑問。

(上記の記事にあるように、開発業者が開発地区に日常活用を視野に入れたモビリティ網を構築するという線はあり得る)

 

5   諸外国でのサービスの高度化の進展速度を考えると、MaaSで国内が取り残されることは国益としてはマイナス。(自動車メーカー等の大企業はその点を見越して、既に海外での実装実験を想定しているように見える)

 

6 大阪に関しては「万博」もあるので、それをキーとしてここに踏み込んで欲しいというのが個人的希望。

それに限らず、特区等を活用して、自治体単位でのTRYはドンドンやって行くべき。(モビリティに関する課題は地方の自治体こそ抱えている課題でもあるし、書籍「MaaS」でも指摘されてたように、地方財政を考えてもモビリティ革命はプラスになる可能性が高い)

 

7 「保険」という点では「観光向けMaaS」であれば、現状の自動車保険のあり方に決定的な影響は少ないと考える。

ただ「日常活用MaaS」が普及すると、「所有」から「使用」への移行は大きく起こるようになり、保険の掛け方・保険料の払い方の大変革の可能性も想定される。

その場合、「保険金を支払う」以外のサービス機能を如何に整備し、マネタイズにつなげて行くかが保険業界としての課題ではないかと考える。

 

…まあ、あくまで個人的な感想&想像。

こんな思惑を超えて、ドンドン事態は先に進んでいっちゃうかもしれませんがね。

(それを期待しちゃうところも、個人的にはあるんですが)