・世界基準で学べるエッセンシャル・デジタルマーケティング
著者:遠藤結万
出版:技術評論社
ある方の講演を聞いてて、「今後はデジマが重要」的な発言があったので、「とりあえず勉強してみるか」と思って読んでみました。
う~ん、どこまで自分の業務に絡んでくるか「?」なトコロもあるし、ツールの活用方法や、スキル的な話はピンと来ませんでしたがね。
ただじゃあ「全く読んで無駄だったか」と言うと、そんなことはないです。
「なぜデジマが重要なのか」
については漠然とした印象をつかむことはできました。
<本書では「エグゼキューション(execution:実行)以外の全てのプロセス」をマーケティングと定義し、「インターネットを通じて顧客/潜在顧客と関わるあらゆる手段」をデジタル・マーケティングと定義しています。>
現代においてはスマホ・PC等のデバイスによって「個人」(=顧客)がインターネットと接し、情報の収集から発信まで、極めてハードル低く実施しています。
<商品・サービスを販売する>という観点から見れば、
単純に与えられる情報に基づいて購買する顧客が大層であった時代から(だからこそテレビや新聞なんかのマスメディアを通じた広告が有効であった)、
顧客のニーズを探りながら、時に顧客との相互関係を構築しつつ、顧客個人のニーズ(顕在・潜在の)に合致した提案を行い、販売に繋げることが求められる時代になってきた…ってことですかね。
(作者はデジタルマーケティングの特徴を「相互の影響力」「パーソナライゼーション」「スピード」「数値化」とまとめていますが、納得感あります)
だからこそ重要なのは、
「顧客に意味のあるコンテンツを提供する」
という事。
本書ではSEOを始め、色々なツールの活用方法やら、スキルやらが紹介されていますが、もっとも重要と指摘していることはこの点にあります。
ツールもスキルも、それを「届ける」ためにあるのであって、中身もないのに小手先の工夫だけで顧客を誘導するというのは、大いなる勘違い。
…いやはや、全く仰る通りです。
「デジマが重要」というのは、
顧客がインターネットによって持った「力」を正しく認識し、ここの顧客のニーズに合致した提案をしていくと同時に、顧客からのFBを商品・サービスに還元していかなければならない
…ということを言ってるのではないかと整理したんですが、違いますかね?w
まあそれにしてもナカナカ難しい時代になってきたな~とも思います。
デジタルマーケティングが重視されるってことは、「個人がエンパワーされる」ってことであり、それは同時に「炎上」やら「内部告発」やら「匿名での批判・誹謗中傷」などが幅を利かすってことでもありますから。
ただその中でもデータを数値化し、見える化する中で、「声」なき個人のニーズをも掬い上げていくことで、感情に振り回される「炎上商法」とは一線を画したマーケティングが成立するのではないか?
…ってのは甘すぎる見込みでしょうか?
でも個人がインターネットにつながる時代は、(5Gとかもあって)前進することはあれ、後退することはないでしょう。
だとすれば、デジタルマーケティングもそう言うところへ進んでいかなければならない。
…「デジマが重要」ってのはそういうことも含めてのことなんじゃないか/そうあって欲しい。
それが読み終えての漠然とした感想でした。