鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「ここから」が面白そう:読書録「探偵AIのリアル・ディープラーニング」

・探偵AIのリアル・ディープラーニング

著者:早坂吝

出版:新潮文庫

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つい買っちゃうんですよね〜、この手のw。

 

<ほんの少し手を伸ばせば届くくらいの未来…あるいは現在の話。>

 

…と言うわけで、ディープラーニングでAIが「強いAI」になりつつある…と言う設定でのストーリー展開。

データだけのディープラーニングではなく、「リアルな事件」をディープラーニングする事で、AIがフレーム問題・シンボルクラウディング問題・不気味の谷現象・中国語の部屋問題を克服していく流れになってます。

 

まああくまで「流れ」で、リアリティはないですけどねw。

これだけのAIがSDカードで気楽に持ち運べたり(スマホに入ったり)、捜査資料をビッグデータとしてディープラーニングでここまで人間に近くなったり、オフラインで状況の変化に人間以上に対応できる反応をしたり…

僕も詳しくないから「絶対無理」とは言えんけど…、

いや、やっぱり無理やろw。

 

じゃあ面白くなかったか…と言うと、そんなことはなくて、楽しめましたけどね。

ここら辺はまあ、本格推理小説におけるリアリティに通じると言いますか。

表紙を見て、「AI搭載の美人アンドロイド」を想定してたんですが、あれはアバターで、あくまでプログラム…ってのも気に入りました。(アバターもなければ「her」みたいで尚いいんですが、一般受けはせんかなw)

 

ただ物語としては「ここから」の方が面白そう。

でもそうなると、今回のような本格モノ仕立ての構成は難しくなるかも。

さて…。

 

個人的には「ミレニアム」みたいに2作目でガラッとジャンル変更ってのを期待したいんですがね。

その前に本作がどこまで売れるかってのも、あるかw。