鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

今読むべき本:読書録「池上彰の世界の見方 朝鮮半島」

・池上彰の世界の見方 朝鮮半島 :日本はどう付き合うべきか

著者:池上彰

出版:小学館

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米朝首脳会議開催。

この歴史的タイミングで、もう一回「北朝鮮」「韓国」のコトを振り返っておこうかなぁ、と。

 

大学1年の時にお邪魔してたゼミに韓国から来られた留学生の先輩がおられて、ゼミの懇親会とかでよく自分の国のコトを話しておられました。(チョン・ドファン政権の頃。独裁制をどう打倒するか、かなり強い口調で話しておられました)

その時の経験が結構鮮烈にあって、以降なんとなく韓国のコトは気にしてきたんで、それなりの知識はあるような気がしてたんですが…

 

…アカンがな。

全く分かってない。

しかも北朝鮮のコトより韓国のことが分かってない!

(北朝鮮の情報が少ないってのもあるけど)

 

「建国伝説」

「財閥の歴史」

「独裁から民主化の流れ」

「日本との関係」

etc、etc

 

もちろん漠然としては押さえてるんだけど、例えば米国の政治経済に関する知識なんかに比べてたら圧倒的に少ないし、アヤフヤ…。

う〜ん、我ながら情けなくなりました。

 

韓国との関係については「いじめ」のアナロジーがよく言われますが、まあそうですよね。

「殴った方は忘れても、殴られた方は忘れない」

殴った方には「過去」でも、殴られた方には「今の自分」を形作る経験であり、「今」に繋がっている。

 

<ソ連は日本も分割占領としようと言う計画を立てていました。(中略)アメリカそれを拒否します。

(中略)

一方で、朝鮮半島は、北側をソ連、南側をアメリカが占領して、分割されます。

朝鮮半島を植民地として支配していた敗戦国の日本が分割されず、支配されていた側が分割されてしまったのです。ものすごい歴史の皮肉ですよね。  >

 

少し前に見た「鋼鉄の雨」でもそう言うシーンがあったなぁ、と。

http://aso4045.hatenablog.com/entry/2018/05/27/165129

 

韓国の政治や経済を見てると、

「なんか合理的じゃなくて、遅れてる感じがするな〜」

って時もあります。

そこらへんが微妙にこちらの優越感をくすぐったりして…

 

< 韓国の政治はひどい。遅れた国だと思うかもしれません。翻って、日本の政治はどうでしょう。(中略)

日本でも30年ほど前までは、選挙でも公然と買収が行われていました。

(中略)

日本も昔はひどかったのです。戦後民主化されてから70年かかって現在の日本がここにあります。韓国は民主化されてまだ30年が経過したばかりです。成熟はまだまだこれからです。

韓国に対して日本が優れていると言っているわけではありません。日本だって、欧米各国に追いつけ追い越せでやってきて、いろんなところにゆがみが出ました。民主的かどうかは、民族の問題ではなく単なる歴史の問題だ、という観点が必要なのです。>

 

…まあそうかな。

最近の大企業のトラブルや政権・行政のバタバタなんか見てると、「昔の話」とも言い切れん感じも。

 

どうなるかは分からないけど、朝鮮半島が新しい局面を迎えつつあるコトは確か。

米中も巻き込みつつ、新しい地政学的な状況が生まれて来るのは間違いないでしょう。

その中での近隣諸国との微妙な歴史的関係を持つ日本がどう言うスタンスをとって行くのか。

もちろんそれが重要なんですが、そのためにはまずは相手のことをよく知っておく必要がある。

主導権を取れる立場にない以上、その努力を我々がしなければならないと、僕は思ってます。

 

<残念ながら、困ったり隣人がいるからといって、日本という国がどこかに引っ越すことはできません。困った隣人とどう付き合っていくか。難しい問題ですが、(中略)自ら考えなければいけない問題なのです。>

 

その観点からも本書は「今、読むべき本」だと。

高校生相手の授業をまとめたモンなんで、分かりやすいですしねw。(それでいてレベルは高いです)

シリーズの他の本も読んでみるかなと思ってるところ。

息子にも読んで欲しいな〜。