鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

主要登場人物の過半は「自分」w:読書録「われらはレギオン1」

・われらはレギオン1  AI探査機集合体

著者:デニス・E・テイラー    訳:金子浩

出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)

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「現代」で事故で死亡したオタクのエンジニア社長が117年後に「AIのプログラム」に移植されて蘇生、宇宙船のAIに…


と言うのが作品の「冒頭」。

そこから主人公は宇宙探索に出、自分を複製し、それぞれの複製された「自分」が、新しい星を見つけ、文明初期の原住民に関与し、かつての地球の他勢力の宇宙船と交戦し、行動文明を持ったエイリアンと遭遇し…

と、実に多様なドラマが繰り広げられます。

結構な波乱万丈に主人公は遭遇してるんですが、割とそれを淡々と受け止めていく(一部はプログラムのせいでもあるけど、結構オリジナルの「性格」にもよるんじゃないか、と)ことで、ドライブ感を持って物語は拡散していきます。

ちょっと付いていけなくなることもあるくらいw。


それらに対処するのが全部「自分」の複製(そもそものオリジナルは既に死去しています)。

でもその「複製」にもちょっとずつ「個性」があって…ってあたりが話にバリエーションを生みつつ(ここら辺は遺伝子の複製のアナロジーなのかも)、それでも結局は「自分」ってとこが、ちょっと面白い感じになってます。


作品は三部作で、今年中に邦訳も出版される予定とのこと。

話はスパスパ進むし、ユーモアもあって楽しめもするんですが、ノリの割には本質は本格SFなんですよね。

ついていけないところもチラホラ…。

ま、でも続きが出たら、多分読むと思います。

なんか壮大な話になっていきそうな気もしますしねw。