・怪奇探偵リジー&クリスタル
著者:山本弘
出版:角川文庫
「ビブリオバトル部」シリーズの作者の探偵モノ。
…と言うので読んだ訳じゃなくて、新幹線に乗る間際、駅の本屋で表紙買いしちゃったんですけどねw。
読んでる途中で、
「ああ、あの作者か」
と気付きました。
舞台は1930年代後半のロスアンゼルス。
金髪美人探偵リジーと、SFオタクの10代女史探偵助手クリスタルが遭遇するオカルティックな事件たち。
でもオカルトなのは事件だけじゃなくて(…以下ネタバレ自粛)。
作者のSF・ホラー映画や、SF小説に関するオタク的愛情に支えられた作品で、もしかしたらキモはストーリーよりそっちかもw。
少なくとも僕は主人公たちの出自をめぐるドラマよりも、そっちの方にグッと惹かれました。
5つの連作短編のうち、2話と4話ですね。
特にブラッドベリが登場する第4話は、本作の中核をなす作品になっています。(なんとなくのお間抜けぶりも、個人的には好みw)
第1話冒頭の「?」な描写から、1話ラストでのネタあかし。そっからオタク的知識で遊びながらも、登場人物たちの「謎」を解き明かしていく物語展開と、全体として退屈しない仕立てになってます。
僕は好きですね、コレ。
続編?
まあ、あってもいいけど、そういう意味ではネタあかしし切っているので、続きは新たに違う構図を持ってくる必要があるかな、と(ちょっとした「余地」は残してるように思いますが)。
そこまでの手間、かけるかな〜。