鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ゆるゆると眺めつつ:読書録「苔のむすまで」

・苔のむすまで

著者:杉本博司

出版:新潮社

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誰かが「愛読書」として掲げてたのを、どっかで読んだんですよね。随分前に。

で、その時に手に入れて、枕元において、時々読み進め、時にパラパラ眺め…。

ようやく読み終えました。

 

作者は現代美術家・写真家で、本書にはその作品の写真がたくさん収められています。

その作品と関係したエッセイが収められた作品集…って感じかな?

「現代美術」と言っても、古物商を営んでた経歴を持つ作者の作品は、現代と日本伝統の双方のテイストを強く持ちながら、それでいて未来志向もあって、なかなか興味深い。添えられたエッセイも静謐な力をもって迫ってくるものがあって、いい感じです。

何をもってこんなに惹かれるのか、言葉にし辛いところもありますが。

 

表題のエッセイは巻末に置かれています。

昭和天皇について語りつつ、天皇制そのもの、そして日本について語った文章。

平成が終わろうとする「今」、維新後150年となる「今」に読むに相応しい一文かと。

 

個人的には金沢を去り、新しいステップを踏み出そうとしている「今」でもあります。