鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ホンの鳥羽口:読書録「風の名前」

・風の名前  キングキラー・クロニクル第1部<全5巻>

著者:パトリック・ロスファス  訳:山形浩生、渡辺佐智江、守岡桜

出版:ハヤカワ文庫

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大森望氏が「指折りの傑作」と断言するファンタジー小説。

ハリポタ後のファンタジー小説乱立の中で、一頭地抜け出るとの評価で、実際ル・グィンの賛辞なんかも得ているようです

 

とは言え、なんとも展開が遅い!

5巻のラストになって、こんなセリフ。

 

<「とりあえずはそんなものかな」とクォートとは、ペンを置くように記伝家に合図した。「これで地盤は全部整った。物語を構築するための基盤ができた」>

 

5冊も使って、ようやく「基盤」w。

 

じっくり描いてる…ってのとはチョット違うんですがね。

色〜んな事件が次から次へと起きて、目まぐるしく物語は進みます。

進むんだけど、主人公が抱えている「過去」の全体像は依然として<仄めかし>程度で第1部が終了すると言う…。

5巻もかけてw。

 

ハリー・ポッターとどっちが上かってのは何とも言えませんが、「学園モノ」としてはハリポタには敵わないでしょうね。

USJのアトラクションみたいなのがこのシリーズで出来るとは思えませんw。

でも「世界観」はこっちの方が広いかも。個人的には主人公の屈折ぶりが本作の方が気に入ってはいます。

まあ、まだ物語は始まったばかりなんで、この段階で判断するのは早過ぎますが。

 

さて第2部「賢者の怖れ」。

今年翻訳が出版されるようです。

いよいよ「本筋」に。(多分)

読むつもりではいます。

分冊で出版されるのを、まとめて読むか(第1部はコッチ)、一冊ごとかは、その時になって考えますがね。