・数寄です!<全3巻>
著者:山下和美
出版:集英社文庫
作品の事は前から知っていて、読みたいなーと思ってたんですよね。柳沢教授は結構好きな漫画ですから。
でもすっかりそのことは忘れててw、本屋に行ったら文庫化されているのを見つけ、
「ま今日は風邪で部屋でごろごろするしかないから、読んでみるか」
と、買ってみました。
いやー、でも全然思ってるような内容じゃなかったです。
事前に思ってたのは、
「柳沢教授の成功で印税が入った作者が、昔からハマっていた<和>世界を実現すべく、ふんだんな知識を盛り込みつつ、数寄屋づくりの家を建てる」
みたいな感じだったんですよね。
実際にはこんな感じです。
・作者の<和>の知識は、「憧れ」はあっても、大してない。
・コストは(過去から色々あって)かけられず、原稿料の前借りや極端な節約生活をしながらの取り組み。
・<数寄屋づくり>がメインではあるものの、目的は自分自身が「数寄者」になること。
すなわち「山下和美数寄者計画」。これをマンガ化したのが本作な訳です。
結構ヘタレなトコもあってw、「和の求道者」って感じじゃないです。
まぁ、それにしてもいろいろなことが起こります。
連載中に東日本大震災が起きた事は、なんとなく知ってたんですが、それ以上に「お金周り」のことがまぁ色々と。
過去の不動産関係のトラブルなんかも含めて、なかなか不幸を引っ張ってくる体質が作者にはあるような…。
「よくまぁ、家が建つところまで連載できたなぁ」
て感じです。
いろいろありながらも、最後のところは作者の人得なのかなぁって言う感じもしますけどね。これだけいろんな人から助けが得られるっていうことわね。
作品の中では、「和」に関するいろいろな知識や店、モノの紹介がされています。
瓦に関して本ドライブをしたときの黒い瓦の美しさに作者が感動するシーンがありますが、これは僕も同感ですね。
能登半島をドライブするときの、心豊かにしてくれるような風景は僕も大好きです。
まぁ、ちょっとこの雪ですと気軽にドライブしようって言う気にはなれませんがw。
ちなみに、最初に作者が自分の知識のなさを痛感するシーン。
…え、そうなの?
と読んで思う50代前半w。
本作は、続編の連載もされていて、コミックスももう出ているようです。
続きも読もうかなぁ…。
PS 完成後の数寄屋の記事がありました。
http://otona-stylemag.com/posts/magazine/18688.html