鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ビデオは以前にも見たことありました:読書録「FISH!」

・FISH!鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方

著者:スティーヴン・C・ランディン、ハリー・ポール、ジョン・クリステンセン 訳:相原真理子

出版:早川書房

フィッシュ!―鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方

フィッシュ!―鮮度100%ぴちぴちオフィスのつくり方

  • 作者: スティーヴン・C・ランディン,ジョン・クリステンセン,ハリー・ポール,相原真理子
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2000/12/19
  • メディア: 単行本
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先週、事務局対応した「キャリアビジョン研修」でこの「FISH!」のビデオが使われてたんですよね。
ビデオ自体は僕も前に見たことがあって、その時も感銘を受けたんですが、改めて一歩引いたところからビデオを見て(前は受講した研修の中で見たので)、「これは面白くて、良い題材だな」と。
で、ビデオを踏まえてまとめられた本書を購入してみました。
本の方を読むのは初めてです。

ビデオの内容をなぞったような作品かと思ってたんですが、違うんですね。パイク・プレイス市場の近くにある金融関連の会社が想定されていて、そこのある部署(バックオフィス)の再生に、「FISH!」の哲学が使われる、というストーリー仕立てになっています(訳者あとがきでは「寓話」と書かれていました)。
「FISH!」のビデオを見ると、「たしかに素晴らしいけど、これを自分たちの仕事にどうやって活かしていいのか…(書類を投げ飛ばすわけにもいかないし)」と誰もが思うでしょうが、それをフォローするような内容です。
ビデオの中でもその点にはコメントされてるんですが、こういうストーリー仕立てにした方が、受け取りやすいですね。

「FISH!」哲学そのものは単純です。

<態度を選ぶ>
<遊ぶ>
<人を喜ばせる>
<注意を向ける>

 

<態度を選ぶ>は最近話題のアドラー哲学(嫌われる勇気)にも通じますかね。
「環境は変えられないこともあるけど、それに対する自分の態度(スタンス)は自分で選ぶことができる」
基本はココ。ここを受け入れないと、そもそも「何かを変えていく」ということに対して自主性・自律性が生まれません。
「1日の時間の多くの時間を費やす<職場>を変えよう」
という意識を共有することがスタートになっています。

 

<遊ぶ>は「自分が主体的に取り組めるような<やり方>をしよう」かな?
<人を喜ばせる><注意を向ける>は、<遊ぶ>が独善的にならないようにするためのポイント。「仕事」「ビジネス」という観点からは、そもそも「仕事」っていうのは自分以外の人々(社会)の役に立つためにある訳ですから、その本質に立ち返るということでもありますね。
当たり前なんだけど、結構見落としがちのポイントでもあるか、と。

 

本書はストーリー仕立てとすることで、職場のリーダー(ヒロイン)がどう「FISH!」哲学を捉え、それを職場に持ち込み、職場のメンバーがどう受け止めて、それを職場を変えていく具体的なアクションにして行ったか…が描かれています。
「こんな上手くいく訳ないよ」?
そりゃまあそうなんですがw、無茶苦茶不自然…って訳でもないと思いましたよ。
ラストの「ロマンス」はイランと思ったけどw。

 

「保険」という今の職場を考えると、「営業」や「営業支援部署」に関してはほぼこのアウトラインが合致するかな、と思います。
でも一方で我々の仕事には「事故対応」もあります。<遊ぶ>ってポイントをそのまま適応するには、ちょっと憚られる面も。
以前、ある方から言われたんですが(さわやか財団の堀田力さん)、「保険に携わる人は、<謙虚>でなければいけない」。全くその通りだと思いますし、<遊び>と<謙虚>をどう両立させれば…。

 

僕なりに考えたのは、
<遊び>というのは「自ら取り組み、主体性や独創性を発揮できるような環境や取り組み」なんじゃないか
…ということ。
そう考えると、「保険」現場、特に保険事故対応においては、
<自分が持っている思いやりや寄り添う気持ちを、仕事に反映できるような取り組みをしていく>
って風に読み替えれるんじゃないですかね。
そういう自主性・自律性を許容できる「職場」とすることで、個々人の「創造性」を促し、相手の気持ちに沿った対応をしていくべき。
そのためには相手に<注意を向ける>必要があるし、結果として<人を喜ばせる>ことが出来る。
…そんな風に僕は考えています
あってるかどうかわからないし、あってる必要もないんですけどねw。
どう思います?

 

本書には続編があって、そこには「FISH!」哲学を取り入れた具体例が紹介されているようです。
そっちの方も読んでみようかな〜と、Amazonで早速注文してみました。
…この寒波で、すぐには手元には来ないかもしれませんがw。