鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

まずはテレワークかなぁ:読書録「働き方の問題地図」と言われるよかっ

・働き方の問題地図  「で、どこから変える?」旧態依然の職場の常識

著者:沢渡あまね、奥山睦

出版:技術評論社

働き方の問題地図 ~「で、どこから変える?」旧態依然の職場の常識

働き方の問題地図 ~「で、どこから変える?」旧態依然の職場の常識

 

 

 

「職場の問題地図」「仕事の問題地図」と読んできた沢渡さんの新作(「職場の問題かるた」は読んでません)。本作は女性起業家でもある奥山さんとの共著になっています。

 

この「問題地図」シリーズ。

「自分の勉強のため」というのはもちろんあるんですが、それ以上に「どうやって社内の他のメンバーに問題意識を伝え、共有し、その解決方法を同じ土壌で論議するか」ということを考える上での「基礎資料」としている側面が強いです。

この手の話は、割とマネージャーやリーダークラスとは同じ視線で話ができるんですが、例えばずっと事務を担ってきたようなメンバーと話をしようと思うと、これまでの「経験」の蓄積が違っていて、「言葉」の定義でさえ違って受け取られるようなこともあったりするんですよね。

同じ会社に勤めているのに不思議なんですが、これは実体験。

そこら辺を埋めるために、どう言う風に話をすればいいのか、同じ土壌に立つためのアプローチはどうすればいいのか。

そんなことを考えながら、このシリーズは読ませてもらっています。(個人的にはすごく役に立っていると思ってるんですが。ホントに伝わってるかどうかは分かんないけどw)

 

本書は言ってみれば「働き方改革」に関する本。

「生産性向上」に向けて取り組んでいく上で、どう言う点が阻害要因となりうるかを丁寧に説明してくれています。

女性で起業し、共働き・育児を経験し、自身も大病を患い、介護まで経験した奥山さんの経験が加味されることで、これまで以上に「女性の働き方・活躍推進」を考えるのにふさわしい作品になっています。

 

本書が掲げる「阻害要因」は以下。

・グローバル化できない職場

・正社員だけ

・完全出社主義

・副業禁止

・男性主体

・フルタイム前提

…まあどれも頷けますw。

このシリーズの場合、だいたい「そうなんだよな」と納得の内容で目新しいものはそんなにないんですが、「じゃあ、対処できているか」と言われると、「…」。

本書もその傾向、「大」ですw。

 

どういう風に取り組んでいくべきかってのは、それぞれの職場ごとによって違うでしょうが、僕の職場でいえば「テレワーク」かなぁ。

女性のメンバーが多く、彼女たちの自主性と自律性に期待せざるを得ない今後を考えると、時間と場所の柔軟性というのは看過できない課題です。

育児・介護はどうしても外せないし、自主性・自律性を確保するための自己研鑽の時間も必要。

そう考えると、「まずはテレワーク」となるのは当然でしょう。

 

正直言って、「完全出社主義」で「長時間労働」でやって貰った方がマネージャーとしては「楽」ですよ。

でもそれじゃあ回っていかないし、第一、マネージャーを楽させるために会社があるわけじゃないでしょうw。

色々な制約もあるし、関係者もある中、勝手に自分たちだけでどんどん進めていくわけにもいかない。でもTRY AND ERRORを重ねる中から、「自分たちにふさわしい柔軟で多様な、生産性の高い働き方」を見つけていく必要がある。

僕は今、そういう風に考えてます。

それを伝えるための「共有言語」を本書には教わらなきゃいけませんね。

…伝わるかしらん?

 

(本書は沢渡さんと奥山さんの共著ですが、どこをどちらが書かれたかは明記されていません。が、結構内容は個人的経験に基づいたことに触れているので、これは明記した方が良かったんじゃないか、と。

ま、読みゃわかるだろうと言われれば、そりゃそうなんですけどねw)