鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ネタばれあり:読書録「プレイバック」

・プレイバック
著者:レイモンド・チャンドラー 訳:村上春樹
出版:早川書房

プレイバック

プレイバック


村上春樹訳によるマーロウ・シリーズ。
発売されてすぐに購入したんですが(2016.12.8出版)、なんだかんだ読まずにいるうちに、次の「湖中の女」(村上版では「水底の女」)が発売に…。
慌てて読みました。(別に慌てなくてもいいんだけどさw)


あとがきで村上春樹氏も色々書いてますが、まあ「プレイバック」と言えば、あのセリフ。


If I wasn’t hard.I wouldn’t be alive. If Icouldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.


もっとも有名な訳はコレ。


<タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない。>(生島治郎の訳を下敷きにしたもの)


清水俊二訳はこうですね。


<しっかりしていなかったら、いきてはいられない。やさしくなれなかったら、いきている資格がない。>


矢作俊彦訳は「マンマ」な感じです。


<ハードでなければ生きてはいけない。ジェントルでなければ生きて行く気になれない。>


「では、村上春樹は」
…となると、ネタばれみたいですが、まあ1年も経ってるからいいでしょうw。


<厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しくなれないようなら、生きるに値しない。>


…ふむ。
<言い訳をするのではないが、僕は「決め台詞」というのがいささか苦手だ。>というのが本人の弁ですが、まあそんな感じかなw。
これを<英文和訳的にごくストレートに翻訳>したのもあとがきにはあって、これは、


<冷徹な心なくしては生きてこられなかったろう。(しかし時に応じて)優しくなれないようなら、生きるには値しない。>


人生訓としてはこれが一番のような気もしますw。


作品としては、結構マーロウが軟派でw、そこら辺は好き嫌いあるでしょうね。(僕は割と好きですw)
リンダ・ローリングの唐突な「再登場」には面喰らいましたが、何度も読んでるんで、それももう慣れました。
個人的にはマーロウのこの「運命の女」の良さはピンと来ないんですがねぇ。


さて村上訳でのマーロウ長編シリーズも、次(「水底の女」)でラスト。すでに手元にあります。
…読むのは1年後?w