鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

押井守によるジブリ作品評:読書録「誰も語らなかったジブリを語ろう」

・誰も語らなかったジブリを語ろう
著者:押井守
出版:東京ニュース通信社


ジブリスタジオが製作した長編アニメについて押井守が語っている作品。
宮崎駿とはまた違った意味で日本のアニメを世界に広げた一人者が語るという意味で、面白いのは間違いなし。
ただ、


スタジオジブリおよび宮崎駿監督に対する批判の類いは、まず公の場で見かけることがありません。共通の利害を暗黙の了解として、その内部にける批判を許さない共同体を「インナーサークル」と称しますが、(中略)スタジオジブリおよび宮崎駿作品に対する批判の類いが、なぜか公の場で語られず、活字になりにくいという背景には、同様の事情が存在するのではないか>


ってのはどうかなぁ。


宮崎駿はアニメーターとしては不世出の天才だけど、アニメ演出家としては二流以下」
「『となりの山田くん』以降の高畑勲は<クサレインテリ>」
「宮崎・高畑以外のジブリ作品は、近藤喜文耳をすませば)以外は<劣化した宮崎駿>」


その通りだと僕は思ってますしw、それって結構「語られてる」んじゃないですかね。
まあ<共通の利害を暗黙の了解とする公の場>ってのを「マスメディア」と定義すると、あんまり見かけないのかもしれませんが、そういう定義そのものが、もはや時代遅れのような気がするんですが…(攻殻機動隊を作った方に言うようなセリフじゃないけど)


なんにせよ、「押井節」を楽しむと言う点でも一読に値する作品かと。
割と宮崎作品の評価順位も、僕は近い感じがあります。


ちなみに押井氏自身によると自分の作品の最高傑作が「イノセンス」、演出の到達点は「スカイ・クロラ」とのこと。
スカイ・クロラ」はまだ観てないんですよね。
近いうちに観てみようかな。