鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

安定のディーヴァー節:読書録「スティール・キス」

・スティール・キス
著者:ジェフリー・ディーヴァー 訳:池田真紀子
出版:文藝春秋kindle版)

スティール・キス

スティール・キス


リンカーン・ライム」シリーズ第12作。
今回のアイディアの「ネタ」は「IoT」。
スマート家電・自動車。デヴァイス等のセキュリティを潜り抜け、それらを「凶器」として使う犯人が登場します。
相変わらず取材はシッカリされてて、薄ら寒くなるシーンもちらほら。
アップデートは小まめにせんとねぇ。


直接の危害を加える犯人に加えて本作が指摘する「悪」は企業の利益至上主義。
「費用便益分析」
被害発生対策を講じる費用と、その被害の発生確率、そのコストが企業利益に与える影響を分析し、「対策をしない」と判断した企業の存在が本作の悲劇の根底にはあります。
なんか最近の日本企業の不祥事のアレコレを思い出すと…


リンカーンとアメリアの関係も一歩一歩。
本作での「一歩」についてはもうチョット劇的に扱ってもらっても良かったようには思うんですが(二人の関係のファンとしては)、まあ「今更」かなw。
すでに本国では発売されてる次作が好評なようなので、そっちの方で突っ込んでるのかもしれません。


読み終えて思うのは、
「やっぱり本作は海外ドラマシリーズに向いている」
Netflixさんあたり、動いてませんかねぇ。