鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ちょっと期待とは違いましたが:読書録「2022年、『働き方』はこうなる」

・2022年、「働き方」はこうなる
著者:磯山友幸
出版:PHPビジネス新書


ちょうど「テレワーク」の導入について検討しなきゃいけなかったので、「頭の整理」と「参考事例」を求めて購入した作品。
「2022年」という「近場」が論じられてるというのもあって…


と思ったら、そういう「働き方」の具体的な変革の内容を扱った本じゃありませんでしたw。
むしろ「働き方改革」が今後の日本社会において持つ意味合い・意義、「働き方改革」を巡る政府・官僚・労働界・経済界の思惑や意図・スタンス等を、具体的な論議の流れなんかを追って解説したパートが大半。
同じように政府主導の検討会の委員を務めた白河桃子氏の「御社の働き方改革、ここが間違ってます!」よりも、ガッツリここら辺のあれやこれやを説明してくれています。
その分、「じゃあ、どういう風に働き方を変えていけばいいのか」ってのは、なんとなく概念的なレベルに収まっていて、事前の僕の期待は全然満たしてくれませんでしたw。


「じゃあ、役に立たなかったか?」
と言うと、そんなことはなくて、具体的な検討の流れや、色々と打ち出されている施策や提言の意味、関係者(政府・官僚・労働界・経済界)の思惑なんかが整理されてて、
「具体的な流れはどう言う方向なのか」
にあたりをつけるのに参考になりました。
コーポレートガバナンス改革」が企業の「内部留保」の吐き出しに向けた「手」なんだってのは、不勉強ながら明確に認識できていませんでした。


そう言う意味じゃ、割と「安倍政権の経済政策の方向性」の妥当さを再確認できる一冊なんですよね。
今日、衆議院解散の会見をしてましたが、そこにも通じるところがあります。
「経済政策」やそれを踏まえた「社会制度改革」の方向性は、割と安倍さんには賛同できるんですよ。
ただその実践に向けての「優先順位付け」がなぁ。森友・加計もそうだし、今回の解散もなんだか…。
折角の「仕事人内閣」なんだから、せめてもう少し政策に目鼻立ちをつけてから信を問うてほしい」んですけど。


本書には「50歳以上」の僕には結構厳しい「未来」も描かれています。
そう言う意味じゃ、あれやこれやのガタガタで「先送り」になるのは、僕個人としてはプラスなのかもしれません。
でも「制度改革」をするときに、賛同者を増やすために「痛み」(財政の規律化)を先送りにしちゃうってのは、やっぱりマズくないですかね?


「選挙は水もの」
結果がどうなるかはわかりませんが、混乱して改革が先送りになるのだけは「未来
のためにも避けてほしいと、本心から思っています。