鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

20年後の花咲舞が見たい:読書録「不祥事」「花咲舞が黙ってない」

・不祥事
著者:池井戸潤
出版:講談社文庫

新装版 不祥事 (講談社文庫)

新装版 不祥事 (講談社文庫)

花咲舞が黙ってない
著者:池井戸潤
出版:中公文庫


息子から「『アキラとあきら』がむちゃくちゃ面白かった」という話を聞いた後に書店で「花咲舞」シリーズの新刊を見かけ、前作と合わせて購入。(TVドラマの原作になったのが「不祥事」。その続編がドラマと同じ題名の「花咲舞が黙ってない」です。メンド)
…一気に読んじゃいました。
いやぁ、面白かった!


僕は「空飛ぶタイヤ」は読んでるんですが、「半沢直樹」も「下町ロケット」も読んでも、観てもないんですよね。
特に理由はないんですが、まあ巡り合わせというか…。


この「花咲舞」のTVドラマも観てなかったんですが、評判は知ってました。知ってましたが、こんなに面白くて、それでいてどこか刺さるところのある作品だとは思ってもいませんでした。
いやぁ、面白いじゃん、池井戸潤!(何を今更w)


出版は間が空いていますが、作品としては直接繋がっている時間経過となっていて、従って舞台は20世紀末。
バブルが弾け、不良債権処理から都市銀が合併・集約の道を歩みだす時代が背景になっています(今は「メガバンク」の時代)。
その流れの中で、社会から厳しいを目で見られながらも行内での派閥抗争を第一とする輩との戦いを描いたのが一作目。
「合併」を前に、自行のポジションどりに腐心しつつも、自らの「バンカー」としての矜持との葛藤を描いているのが二作目。(そこらへんをゲスト出演の「半沢直樹」が突いてきます)
深みは確実に新作の方にあります。その分、花咲舞の戦いも単純なものではなくなるのですが。(それでも一話ずつの「勧善懲悪」ノリでのスッキリ感は継続しています)


その時代から約20年。
「今」花咲舞が何をしているのか、見てみたいですね。
さすがに相馬さんは退職してるかな〜。