鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ビジネスをロジカルに考えるファンタジー:読書録「異世界コンサル株式会社」

・異世界コンサル株式会社
著者:ダイスケ
出版:幻冬舎

異世界コンサル株式会社

異世界コンサル株式会社


20歳半ばのコンサルタントが異世界に転移してしまい、「剣道」の経験にすがって冒険者になる。5年ほど何とか食い扶持を稼いできたが、膝を怪我してしまい、チームを追い出されてしまう…
と言う「波乱万丈」が「1ページ」w。
本書のメインは、そこから主人公が現世界での「コンサルタント」としての知識と経験をベースに、新たなキャリアを築いていく過程が描かれています。


いやぁ、何で本書を購入したのか、あんまり覚えてないんですよねぇw。
「なるほど、『もしドラ』のファンタジーバージョンみたいなもんかな?」
と、店頭でパラパラと読んだのは覚えてるんですが、どうもその時にAmazonで検索をして、そのままカートに入れてしまったような…。
「お盆休み」用に何冊かまとめ買いした中に入ってたんですよね、これが。


ただ、読んで見ると、意外にこれが面白い。
作者はフリーのコンサルタントらしく、その経験をベースに「中小企業」の事業コンサルを「異世界」で展開します。
まずは「冒険者の相談屋」。
加えて「剣士団のブランディング」を行い、そこから「冒険靴製造」へと展開する。
まあ「コンサルタント」を起業して、そこから「製造業」の起業に展開した…って感じですかね。
「魔法で一発!」
って感じにならないところが「もしドラ」風。
ちゃんと「成り上がり」の物語になってるので、気持ちよく読めます。個人的には「甲子園出場」より、こっちの方が面白かったかなw。


主人公の「武器」となる「コンサルタントの知識と経験」。
これは本当にベーシックなもので、「大逆転」的なモンでもありません。
「商人」がいる世界なので、ここまで会計的な考え方がこの異世界に登場してないってのはチョット無理がありますが、まあそれを言ったら物語になりませんからね。
むしろそう言う「基本的」なことを、「手なり」でやっている状態の中に持ち込む意味、その効果が丁寧に説明されていて、「ビジネスをロジカルに考えると言うことはどう言うことか」が分かりやすく、楽しく理解できるようになっています。
「役に立つ」
かどうかは何とも言えませんが(各章にある「まとめ」なんかは、気づきとして整理されてます)、「頭の働かせ方」をシミュレーションするのには助けになるんじゃないかなぁ、と。


物語的には、ここから「国家運営、改革」あたりに進んでいくと面白いんですが、それだとチョット「現実離れ」しちゃうかな?
ま、もともと「異世界」の話なんで、現実離れしてるんだけどさw。