鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

情報を共有し、「協調領域」を高めていくには:読書録「全社員生産性10倍計画」

・全社員生産性10倍計画
著者:本間卓哉
出版:クロスメディア・パブリッシンング

全社員生産性10倍計画  1人500円かければ、会社は儲かる!

全社員生産性10倍計画 1人500円かければ、会社は儲かる!


今更自分のIT知識の習得に…って言うよりは、「どうやってITの活用を広げていけばいいのか?そのための『言葉』としてはどう言う言い方があるのか?」ってことを模索する中で読んだ作品。


「働き方の変革」や「生産性」を考えるとき、


他人と情報(やり方、考え方を含む)を共有し、実戦から得た「気づき」等をも交換し合うことで、関係者が指数関数的に成長曲線を描く:「協調領域」

自分の独自性や他人とは交換できない特性(身体性やロケーション、個人史等)の中で「強み」を強化していき、相対的優位性を絶対的な優位性に高めていく:「競争領域」


この2領域の設定と、それぞれに合わせた戦略・戦術が重要なんじゃないかと思ってます。
「協調領域」は急速に成長していくことが可能だけど、独占することはできない。
「競争領域」は他者が真似することはできないけど、成長はユックリ。
この兼ねあわせが重要で、「協調領域」の成長速度が指数関数的に高まっていくだけに、この領域を如何に多く設定するか、がポイント…と言うのが僕の考えです。


この「協調領域」の成長を支えるのがIT。
「巨人の肩に乗る」と言うのはおこがましいけどw、「小人の肩」でもその小人がものすごい数になり、乗る頻度が高くなれば…ってのが「協調領域」での成長を支えていると思います。
でもそのためには「使ってもらい」「つながってもらう」ことが重要なんですよ。少しでも多くの人にね。(これは本書での指摘されています)
そこんところが、どうも「上手くいかない」てのが、今の「課題」だったりします。


本書で論じられている点に基本的に違和感はないです。
グループウエア」をコミュニケーションの質によって区分している当たりや、「顧客管理」における「リードジェネレーション(見込み顧客獲得)」から「リードナーチャリング(見込み客育成)」の考え方なんかは、整理されていて助かります。(業態的には「顧客管理」はこの構図の中から「ITによらない競争領域の設定」を考える必要性があるとは思いますが)
全体的に、そう言う知識の整理や説明の見える化・明確化にすごく役立ちました。(具体的なツールや事例を絡めてくれてるのも、ありがたいですね。「スピード体質を植え付ける」ってあたりとかも)
それこそが「欲しかったところ」ですしw。


で、こっからどう組織として、多くの人間を「協調領域」の中に呼び込み、その中でのPDCAをスピード感を持って回しつつ、その「成果」をメンバーの成長曲線につなぎつつ、「競争領域」の確立と実践につなげていくか。
本当の「課題」はコッチです。
もちろん簡単なことじゃないんだけど。


まずは「グループウエア」の活用の拡大。
加えて「スピード感を植え付ける」ことによる生産性への意識づけ。
ここからかな。