鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

題名に偽りあり?w:読書録「沈黙法廷」

・沈黙法廷
著者:佐々木譲
出版:新潮社

沈黙法廷

沈黙法廷


なんとなく勢いで買っちゃったんだけど、なんとなく読む気になれず、「積読」化しつつあったのを、この週末でようやく読了。
面白かったですよ。
地味だけどw。


しかし「沈黙」法廷ってのはどうかなぁ。
ヒロインが「沈黙」するのは、終盤、550ページの作品の490ページくらいのところ。
しかも10ページくらいでその「沈黙」は破られます。
まあ確かに「沈黙の意味」はあるんですけど、これまた「驚愕のどんでん返し」みたいな話ではありません。
真面目だが不幸な過去を持った女性…だけど例えば宮部みゆきの「火車」なんかに比べると、「やや落ちるな」と思わざるを得ません。ま、あの傑作と比べるのもなんですが。


むしろ「前半の警察小説/後半の法廷小説」っていう構成の妙の方が本作の特徴なんでしょうね。「警察小説」がお手の物なのは過去作から十分わかっていますが、法廷小説にチャレンジという点が、作者にとって意義がある作品に本書を位置付けてるのじゃないかと。
ラストの展開がちょっと唐突すぎるとは思うもののw。


全体としては楽しめたものの、「文庫で良かったかな」。
こういうこともありますw。