鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

未来を思い出す:映画評「メッセージ」

<この物語が取り上げているテーマの一つが、『サピア=ウォーフの仮説』というものだ。それは、話す言語によってその人の世界観や、考えが決定づけられるという仮説だ。>(原作者テッド・チャン


原作を読んだときは、この概念をプログラミング的に取り扱っているテーマが興味深く、その精巧さに舌を巻きました。
映画化された本作を見て、その「映像化」のマジックに驚かされるとともに、そこから生まれる切ないロマンティシズムに心を揺すぶられています。



「メッセージ」


<Story of Your Life>(あなたの物語)


それは原作短編小説にすでにあったものなんですが、映像化されるまで、僕はしっかりとそれを受け止めることができていませんでした。
何と迂闊な。
そしてそれは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と「ブレードランナー」の時のことを思い出させもします。
ドゥニ・ヴィルヌーブはブレランの続編の監督でもあります。
確かに向いてるかも。


映画的なエンタメ展開のラストは、もしかしたら作品テーマ的には齟齬をきたしてるのかもしれないですけどね。
まあでも、あれくらいのことがないと、話がまとまらないってことはあるでしょうね。本当のテーマは、あまりにも「内面的」過ぎますから。


子供を持ってる人は要注意。
でも未来は「運命」ではなく、「選択」なのだということは、「子供」のことを思う時、実感となります。
たとえ全てが避け得ないものなのだとしても。