鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

なんで安っぽくしちゃうのかなあ:映画評「GHOST IN THE SHELL」

いや、Look(映像、デザイン、CG、スタイル等)は悪くないと思うんですよね。アニメを擦っただけって言う意見もあると思いますが、それだけでも大したものと言えば、大したもの。
芸者アンドロイドには感心しました。



GHOST IN THE SHELL


安っぽいのは、ストーリーというかテーマというか…。<本当の自分>、過去に見失った<本当の自分>を見つけ出し、居場所を再確認する。
え、攻殻機動隊ってそんな話だった?


アニメ映画版1作目、ヒロインがラストに選択した道は、もしかしたら旧来のモラル的には褒められたものではなかったかもしれないけど、そこで示された暗い「自由」は、思いの外、僕に解放感をもたらしてくれました。
それがこの実写版だと、真逆な感じ。
なんだかオールド・スタイルの結末で、見つけた<自分>にヒロインが拘束されたような印象さえ受けます。(桃井かおりにそういう「重み」も感じるしw)


本作、アメリカではアジア系のヒロインを白人(スカーレット・ヨハンソン)が演じることで物議を醸したとか。
義体なんだから、どうでもいいじゃん」
と思ってたんですが、作品そのものが結構「人種」に囚われた作りになってるのに驚きました。
「少佐」は「少佐」でイイんよ。


結論から言えば、20年以上も前の映画から、ずいぶんと後退してしまった印象の作品でした。
技術が進んでるだけに、惜しいなぁ、コレは。
(同じヨハンソン主演の「LUCY」の方が、個人的にはアニメ版の攻殻機動隊に近い精神を持ってるように思いますよ)