鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

雑念が…:映画評「海賊とよばれた男」

原作は一応文庫になった時に買ったんですが、原作者の超保守的な発言やら、たかじん夫人をめぐるゴタゴタやらがあって、なんとなく読む気が削がれ、結局未読のまま。
「作品」と「作者」は切り離して評価すべき…ってのが個人的信条なんですねw。


で、「映画になる」と聞いて、「映画なら雑念なく観れるかな?」(「永遠の0」がそうだったんで)と思ってたら、モデルとなった出光さんの方で、創業家とアレヤコレヤ起きて…。
結局、そっちの方が映画を見てる間に「雑念」になっちゃいましたw。
作品とは関係ないんですけどね。



海賊とよばれた男


高い理想を持ちながらも、それゆえに周囲と軋轢が生じ、時にそれが強引な手法となるがために「海賊」とよばれた男が、戦前・戦後、仲間たちと会社を大きくしていく。だが60歳を超えたところでまたもや大きな「障害」にぶち当た理、その突破のために、再び「海賊」に…


ま、ストーリーラインとしてはこんな感じでしょうか?
よくできてると思いますよ。
「日章丸」事件のことはちょっと知ってるんですが、こういうふうに位置付けると、主人公の人生におけるエポックメイキングが、世界の経済勢力と日本国家との関係性に重なって、非常にドラマチックになります。(それに値するだけのことだったとも思いますし)


「乾坤一擲の賭け」
理想と理念を掲げた男についていく仲間たち。


ラスト、主人公が死の間際に見る「夢」は、素晴らしく美しく、心を揺さぶられます。


でも、その「船」に乗れるのは何人なのか?どこまでその「船」は大きくできるのか?
そして掲げられた「旗」は誰が受け継いでいくべきなのか…
こんな「雑念」があると、映画は楽しみきれませんなw。


とは言え、二時間半の上映時間、退屈しなかったのも事実です。
そういう意味じゃ、エンタメとして成功してると思いますよ。この内容をよくまとめたとも言えますかね。
いつか原作も読まんとなぁ…w。