鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「知識」を共有するツールとしての「トーク」:読書録「TED TALKS」

・TED TALKS スーパープレゼンを学ぶTED公式ガイド
著者:クリス・アンダーソン 訳:関美和
出版:日経BP


正直言うと、「TED」についてはチョット懐疑的なんですけどねw。
確かに有名になったトークは素晴らしいものが多いし、得るものも少なくないんですけど、何となく「アイデア」中心っていうのがチョット…。
「アイデア」は確かに重要。でもそれを「如何に実現するか」の方がより重要…って思うんですよ。
「スーパープレゼン」とか言われると、なんか口で言いくるめられてるような気もするじゃないですかw。
アップされるビデオの数が多すぎるのも、敬遠する一因になってますかね。


本書はTEDを主催する人物によるTEDガイド。
副題の通り、「プレゼン」のポイントを豊富な具体例を交えながら紹介してくれています。それはそれで参考になります。
少し前にちょっとした「プレゼン」をしたんですが、読んでて冷や汗が出ましたw。(先に読んどきゃよかった)


それ以上に作者が考えるパブリック・スピーキングの意義と言うのがナカナカ参考になります。


人工知能等の機械化が進む中で、細分化された極度に専門的な「知識」は「機械」の方が上手く扱えるようになる。「人間」はより「人間」的な能力を発揮することが求められ、その際には「背景知識」「クリエイティブな知識」「人間性に対する深い理解」といった広くて深い「知識」が重要になる。
一方で社会の変化は激しく、早く、こうした広範囲で深い知識を学ぶ「時間」には限りがある。
ここにTEDのような「パブリック・スピーキング」の意義がある。短時間で分かりやすく「理解」できるとともに、ネットを通じて素早く広範囲にそれが「共有」できる。ここにこれからの時代の「知識」共有のあり方の一つの姿があるのではないか。


…私なりに整理するとこんな感じでしょうか?


個人的には「動画」での知識習得よりも、「書面(本を含む)」での習得の方が、早くて効率がいい印象はありますw。
ただ「理解」の速さや深さを考えると、「トーク」の方が「共感」を通じているだけに有利な点も少なくないのかもしれません。
いくつかのTEDトークを見た印象では、そういう味方にも頷けるものがあります。


巻末に本書で紹介されたTEDトークの一覧があるので、参考にしながらアップされたビデオを見て見ますかね。
ヒアリングに自信がないんで、字幕ありのものに限りますがw。