鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

割とリアルな未来予想図:読書録「未来化する社会」

・未来化する社会 世界72億人のパラダイムシフトが始まった
著者:アレックス・ロス 訳:依田光江
出版:ハーパーコリンズ・ジャパン(Kindle版)

未来化する社会 世界72億人のパラダイムシフトが始まった (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

未来化する社会 世界72億人のパラダイムシフトが始まった (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)


オバマの選挙スタッフの1人で、ヒラリー・クリントン国務長官の顧問を務めた人物が、未来予想を語った作品。
取り上げてるテーマは以下の6つ。


ロボティクス
ゲノム
通貨、市場、信用のコード化
コード戦争
ビックデータ
未来の市場


こういう本の場合、技術の見通しが遠すぎて、話が極端に悲観的になるか、楽観的に流れるか、割と両極端に分かれると思うんですが、本書はそこら辺のバランスが良くできると思います。
これは作者がオバマ政権下でいろいろな重要情報に接することができたと言う点や、テクノロジーに関する深い知識を通じて、その分野の人脈に非常に幅広くリーチしているからかもなんでしょう。


まぁ、言い換えると割と想像の範囲内の近未来について語っているだけとも言えますがね。
それでもここで描かれている近未来社会は、今とは随分様子が変わっていますし、ワクワクもします。
そういう意味ではバランスは取れていますが、どちらかと言うと楽観的な見方をしてるかな。
ちゃんと懸念点を懸念点として指摘はしてありますけど。


先日ソフトバンクの孫さんが引退を撤回して長期政権を担うことを表明しました。まあ、いろんな見方がありますし、裏で何があったかは知りません。
ただ人工知能なんかに触れて、これからの10年が面白そうになったと言うのはわからなくもないですね。本書を読んだ僕の感想も近いところがあります。
もっともその未来に僕の居場所があるかどうかはちょっと何とも言えませんがw。


でも間違いなく僕の子供たちの居場所はこの未来予想図と重なるところにあるでしょう。それを考えるところに、僕にとって本書の意義があるのかもしれません。


開放と多様性。


できればそういう未来が子供たちにあることを願いたいです。