鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

「父の日」に読むのに相応しい。意外にも:読書録「世界から猫が消えたなら」

・世界から猫が消えたなら
著者:川村元気
出版:小学館ジュニア文庫

世界から猫が消えたなら (小学館ジュニア文庫)

世界から猫が消えたなら (小学館ジュニア文庫)


息子が学校の友達と一緒に映画化されたのを観に行くと言ってたので、話を合わせるために読んでみることにしました。
そのあと、息子に渡せるように、「ジュニア文庫」で。
ところが、上映時間が合わなくて結局観なかったらしいんですよ。
観たのが「植物図鑑」。
なんじゃそりゃw。


「脳腫瘍」で「明日」死ぬことが定められた主人公が、世界から何か一つを消していくことで「一日」余命を延ばす契約を「悪魔」とする。


…ってのが大筋。
2時間もかからずにサッと読めちゃう、「長編」というよりは、「中編」ですかね。
改行も多くて実に読みやすいw。
でも存外、悪くなかったな、と。


主人公が「消す」のは、
「電話」「映画」「時計」そして「猫」。
それぞれ「消してどうなったか」というより、その過程でそれぞれにまつわる「思い出」や「想い」、自分自身の人生との関わりを思い出し…
という風に、ちょっと観念的な話なんですよね、全体的に。
ま、「悪魔」が出てきたり、「猫」が(自粛)ったり、ファンタジー的な設えにはなってはいるんですが、「物語」を前進させていくというよりは、「想い」のようなものを一人語りするスタイルの作品です。
これ、どうやって映画にしたんでしょ?


そして最後に行き着くのが、「家族」であり、「父」であるという…。
う〜ん、狙ったとは思えないけど、これはナカナカ凝った「父の日のプレゼント」だよ、息子よ。


「iTunesに入ったら観せてね」
と、「植物図鑑」が「いまいち」だったらしい息子からは言われてるんですが、観るなら一緒に観るかな。
いや、ちょっと恥ずかしいかw。