鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

予想以上に楽しみました:読書録「読書は格闘技」

・読書は格闘技
著者:瀧本哲史
出版:集英社

読書は格闘技

読書は格闘技


投資家で自由主義者、大学の先生もやってる作者によるブックガイド。
考え方に賛成できないところはあるものの、冴えた切り口が結構好きなので、「面白そうな本、紹介してくれるかな?」と思い、購入しちゃいました、
ホントは電子書籍で十分と思ってたんだけど、なぜかアマゾンだと電子書籍の方が高い値付けになってて、リアル本の方にしました。


期待以上に面白かったですね。
単なる「オススメ本ガイド」じゃなくて、テーマに沿って2作品を選び、それぞれを紹介しつつ、自身の考えも含めて論じるという内容。


<書籍を読むとは、単に受動的に読むのではなく、著者の語っていることに対して、「本当にそうなのか」と疑い、反証するなかで、自分の考えを作っていくという知的プロセスでもあるのだ。>


全く同感。
作者はその「バトル」に読者も誘っているのだが、割と既読本が多かったこともあって、それに近い感覚で読めたかな、ってとこがあります。
どこまで「身」になってたかはともかく。
(「ハリー・ポッター」シリーズをここまで読み込んではいませんでしたけどねぇ)


テーマとバトル本を記すと以下。


イントロダクション;「読書について」vs「武器としての決断思考」
心をつかむ:「影響力の武器」vs「人を動かす」
組織論:「君主論」vs「ビジョナリー・カンパニー」
グローバリゼーション:「文明の衝突」vs「フラット化する世界」
時間管理術:「ザ・ゴール」vs「ストレスフリーの整理術」
どこに住むか:「年収は『住むところ』で決まる」vs「現代の二都物語」
才能:「天才を考察する」vs「さあ、才能に目覚めよう」
大勢の考えを変える:「ポジショニング戦略」vs「キャズム」
未来:「ニューアトランティス」vs「1984年」
正義:「アナーキー・国家・ユートピア」vs「正義論」
教養小説:「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」vs「タッチ」
国語教育の文学:「故郷」vs「山月記」
児童文学:「ハリー・ポッターと賢者の石」vs「しろいうさぎとくろいうさぎ」


その他にも参考図書が挙げられてて、「オススメ本」の機能もあります。
割と軽く見てたんですが、思ったより骨のある本だったな…ってのが正直な感想です。(なんか失礼だけどw)