鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ちょっと微妙かな:読書録「ワーク・コントロール」

・ワーク・コントロール 仕事に振りまわされないための「スマートマネジメント」
著者:行本明説
出版:CCCメディアハウス(kindle版)

ワーク・コントロール 仕事に振りまわされないための[スマートマネジメント]

ワーク・コントロール 仕事に振りまわされないための[スマートマネジメント]



最初読み始めたときは、
「う〜ん、失敗だったかなl」
途中は、
「なかなか良いじゃん」
読み終えて、
「参考になるとこもあるんだけど、ちょっと微妙かなぁ・・・」


作中の中で自分たちの作ったツールやセミナー・コンサルティングを紹介するパートがちょこちょこあるんですが、何かそれが誘導されてる感じになっちゃうんですよね。
もちろん「自信」があればでしょうし、それがなければこういう本を書くこともないでしょうから、分からなくはないんですが、
「結局、自分たちのコンサル受けろってことかい!」
って言いたくなるところも…w。


まあでも、気づきも少なくないんですけどね。
欧米の作品みたいにシャープでロジカルなクレバーさには一歩欠ける印象もありますが、実際の「現場」を考えると、地に足がついた感じがあります。本書は「ホワイトカラーの生産性向上」について論じてるんですが、製造業とは異なる生産性向上の視点という点を追求してる点もよいですね。


「仕事」の優先順位というと、「7つの習慣」で紹介されている「緊急性」と「重要性」での2×2のマトリックスが有名ですが、確かにあれは論理的だけど、アクションには繋ぎづらいところがあります。
それを、
「自分がやる仕事」「他人でもいい仕事」/「事前にわかる仕事」「突発的な仕事」に区分し、「いま」やるか「あとで」やるかを設定する
ってのは、割と優先順位がつけちやすいんじゃないかな?(一番重要なのが「自分がやる」「事前にわかる仕事」。優先順位が高いのが「自分がやる」「突発的な仕事」・・・とかね)


ホワイトカラーの仕事を「業務処理」が中心となる「自分一人でやる仕事」と、「情報処理」をメインとする「他人と共同でやれる仕事」に整理し、生産性向上のために前者には「専門知識」「スキル」の向上が、後者のためには「コミュニケーションスキル」が必要・・・ってのも納得感ありますね。
この区分に「情報の共有化」と「情報の公平性」をあてるあたりもいいです。
生産性を上げるために、一日、一週間、一か月での「いちばん大切な仕事」を明確化し、仕事の「目的」を明確化するとともに、その「予定」を事前に組み込んでしまう・・・なんてのも、当たり前だけど、具体的で良い視点じゃないか、と(この「大切な仕事」は基本的に「自分一人でやる仕事」が中心になります)


<組織のリーダーは、メンバーが「やり方」をマスターし、「やる気」を高めることができるように環境整備(中略)をするということです。メンバーに強制するのではなく、自律的な行動を促すことが肝要です。>


ここまで来たら、最近の僕の問題意識にバッチリですしね。


自社ツールや「ボイスレコーダー」の推奨など、ツール関連の紹介には納得しきれないところはあるんですが、大筋では的を射てるし、こういう整理の仕方に僕自身も腑に落ちるところがありました。
・・・となると印象よりも「良い本」ってことかも。
ま、相性もありますかねぇ。