鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「退出ゲーム」「初恋ソムリエ」「空想オルガン」

・退出ゲーム
・初恋ソムリエ
・空想オルガン
著者:初野晴
出版:角川文庫(Kindle版)

退出ゲーム (角川文庫)

退出ゲーム (角川文庫)

初恋ソムリエ (角川文庫)

初恋ソムリエ (角川文庫)

空想オルガン (角川文庫)

空想オルガン (角川文庫)


「穂村千夏(チカ)」と「上条春太(ハルタ)」という吹奏楽部の高校生を主人公とした日常ミステリーシリーズ。<ハルチカ>シリーズ。
夏休み中にどっかの本屋の店頭で高校生向けの「推薦図書」として並んでるのを見かけて、帰省途中に軽い本が読みたくなった時に思い出して、Kindleで一作目をDLして読んでみました。「日本推理作家協会賞」の候補に挙げられてたってのも覚えてたもので。


もっとも一作目を読んだ時にはあんまり感心しませんでした。
「ラノベに毛の生えたかくらいかなぁ」
ってな感じ。主人公たち二人が吹奏楽顧問に二人とも「片想い」している(顧問は男性なんで、一人は...)って設定も何やら「作り物」に過ぎるような感じもしました。(オジさんは五月蝿くなっちゃうのよ、こういうトコにw)
ただ連作短編の最後に収められていた4篇目がチョット面白い題材を選んでて、「ほう?」と思わせるところはありました。


結局、1冊目で止めずに続けて読んだのは、帰省の移動時間があったってのもありますが、この1冊目の4篇目の出来が引っ掛かったってところがあるかもしれません。
で、それは正解でしたね。
少なくともこの三冊では後に行くほど出来は良くなっています。
描かれるメインは高校生の「青春ミステリー」。
でもテーマのどこかに引っ掛かりのある「何か」がそこここで選ばれていて、それが不思議な陰影をこのシリーズにつけています。
結局、楽しみながら続けて三冊読み終えることができました。


後から知ったんですが、どうやら「アニメ」化もされるようですね、コレ。
まあラノベ的な設定もあるから、そこらへんが評価されたんかなぁ。
でもあれやこれやの「ネタ」をどうするつもりなのか...
...なんてことは僕が心配することじゃないか。
多分、見ることはないしw。
(あるいはそれを分かった上でのチャレンジなのかも。そうならチョット面白いんだけどな)


シリーズはもう一冊出ているのですが、ストーリー的にはここで一旦区切れる感じがあるので休止。
この夏には「5作目」の出版が謳われているのですが...まだその気配はありませんなw。
どうもこの作者、「副業」で作家をしているらしく、作品の出版はそれほど順調じゃない模様。
ま、それはそれで良いとして、「5作目」がでたら、「4作目」とあわせて読んでみようかなぁと思ってます。
「暇」な時間を見つけて、ですがねw。