鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「十字路が見える」

・十字路が見える
著者:北方謙三
出版:新潮社

十字路が見える

十字路が見える


お気に入りのラジオの相談コーナー(「ジェーン・スーの相談は踊る」)のコーナーに昔の読者相談を紹介するコーナーがあって、そこで昔プレイボーイでやってた北方謙三の相談コラムが紹介されたことがありました。
例の「ソープへ行け!」ってヤツw。
懐かしく思ってるところに、書店の店頭でこれを見かけて、つい買っちゃいました。(著者サイン付きだったりしますw)


正直言って北方謙三氏の小説は「自己陶酔」の度合いがチョット僕の基準よりも高いので好きになりきれないんですが(歴史小説の方はまだまし)、コラムの方はヌケ具合が絶妙で、結構楽しめます。
「酒(シングルモルト)」「釣り」「映画」「音楽」と言ったものへの「こだわり」のところに自己陶酔の傾向は見えるんですが、ちゃんとそれを第三者的立場から相対化するところが楽しめるんですよ。
ま、「ソープへ行け!」の時代に比べれば爆発力は落ちますがw、時代も変わったし、何より作者も年齢を重ねてます(コッチもですが)。その「年輪」も感じさせる程よい具合もいい感じかな。


小説の方もこういう「ヌケ」具合を見せてくれるといいんですがねぇ(大沢在昌氏にはそういうトコがあります)。
もっとも行き過ぎるとと、いしかわじゅんの「東京で会おう」になっちゃうけどw。
「小説には生真面目なくらいマジ」
そこも「北方謙三」かな。