読書録「ぬいぐるみ警部の帰還」

・ぬいぐるみ警部の帰還
（＋「弁当ぐるぐる」（「赤い糸の呻き」収録）
著者：西澤保彦
出版：創元推理文庫（Kindle版）

ぬいぐるみ警部の帰還 (創元推理文庫)

「なんか気楽なもんを読みたいな」
と思って、目に付いた作品。
ま、見込み通り、「気楽」に読ませてもらいましたw。

「ぬいぐるみ」をこよなく愛する一方、推理力もかなりある美男子警部の活躍・・・という内容で、それ以上でも、それ以下でもないんですがw、なかなか推理モノとしてもよくできてると思います。
「時間つぶし」としては「合格」です。（褒めてます）

ちょっと残念なのは、もともとの単発作品（「弁当ぐるぐる」）と趣向が変わってるところでしょうかね。
「こっちのほうが面白い」
との評があったので読んでみたのですが、確かに数段面白かったw。
「推理」というよりは「コメディ」という点で、ですが。
（主人公と、女刑事が、延々と「妄想」を垂れ流す...という仕立てです）

この点は作者も気にしているようで、「あとがき」でそこに触れてますが（「連作を意識した」ということらしいです）、この「方針転換」はマイナスじゃないかなと。
「妄想」を考えるのも面倒ってことなのかもしれませんがw。

続編の単行本も出てるようですが、さてどうするか。
ま、文庫になってからかな？