鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「エッセンシャル思考」

・エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
著者:グレッグ・マキューン 訳:高橋璃子
出版:かんき出版(Kindle版)

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする



なぜ、ビジネス書や自己啓発本を読むのか?


まあ、新しい知識やスキルを手に入れたいからってのもありますし、最新の情報をアップデートしたいとか、自分や組織を変えたいってのもあります。
「仕事上、必要な知識や情報を…」
それも重要w。


でも50歳にもなると、それよりも
「現状の立ち位置確認」
って色合いが強くなる気がします。
特に自己啓発色の強いものですと、
「新しいやり方」
ってのはあんまりなくて、大体は
「知っている」「聞いたことがある」「アプローチは違うけど、本質は知っている内容」
って感じになります。
それでも時々手に取るのは、
「今の自分がそれを活かせているか」
を確認するため、ってのが一番の理由じゃないですかね。
どんなに素晴らしいアイデアややり方、スキルでも、時間が経つにつれて、少しずつ「錆」が付いてきますし、時には環境に流されて、使うのを忘れてしまったりします。
それを改めて「確認」し、「錆」を落として、アップデートして使うようにする。
僕にとっての「ビジネス書」「自己啓発本」はそんな位置付けの作品が増えているように思います。


本書の主張も、言って見れば「昔から言われていること」。


<自分の時間とエネルギーをもっとも効果的に配分し、重要な仕事で最大の成果を上げるのが、エッセンシャル思考の狙いである。>


古い言い方をすれば、
「本質を考え、そこに選択と集中を」
ってことですよね。
「選択と集中」ってのはビジネスでよく言われることですが、それを「考え方」に持ち込んだのが本書とも言えます。


それなら
「知ってることばっかりだなぁ」
ってことになるか?
いえいえ。本書は僕にとっての非常にインパクトのある一冊でした。読み終えて、しばらく感想をアップしなかったのも、そのインパクトを自分の中で咀嚼する時間が欲しかったからです。(結局、未だに咀嚼しきれずにいるんですがw)


いろいろ参考になりましたが、一番引っかかったのは、
「本質目標」
って概念です。
本書の中では図を使って分かりやすく提示してくれているんですが、言葉で定義すると結構難しい。


<シンプルで、具体的で、魅力的で、測定可能な目標だ。誰もが明確に理解でき、方向性を間違えることなく行動できる。>


わかったような、わからないようなw。
個人的には組織や会社の「ビジョン」や「ミッション」をベースにしながらも、より「具体的」な目標…と考えています。
「ビジョン」や「ミッション」を達成するために、「今ここで」の行動を規定してくれる。
その目標がその後の無数の「決断」の基本となる…そんな目標です。


まあ、なかなか設定の難しい目標とは思いますよw。
でも組織においては非常に重要な指針として位置付けうる…そんな風に僕は考えています。
具体的に今の自分にとって、「それが何か?」
は難しいし、今も考え続けてるんですがw。


「エッセンシャル思考」という全体の枠組みも、色々な事例を出しながら分かりやすく解説してくれているので、自分の思考の整理に非常に役に立ちます。
何せよ、思った以上に今の自分には「刺さる」作品でした。
他の人にとってどうか、ってのは何とも言えませんがw。