鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「男たちへ」(再読)

・男たちへ フツウの男をフツウでない男にするための54章
著者:塩野七生
出版:文春文庫(Kindle版)

男たちへ―フツウの男をフツウでない男にするための54章 (文春文庫)

男たちへ―フツウの男をフツウでない男にするための54章 (文春文庫)



「再読」どころか、4、5回は読んでるように思いますがw。
「塩野七生」は「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」を高校時代に読んで以来のファンなんですが(とか言って、最近は全作フォローできてるわけじゃありませんが)、結局一番影響を受けたのは本作かも。(あとは「ローマ人の物語」の「ユリウス・カエサル」あたり)
Kindleのラインナップに見つけて、無性に読みたくなって、ポチッとしました。今、手元にはないもので。


多分前回読んだのは10年以上前でしょうね。
今までは、
「こういう男を目指さんとなぁ」
となんとなく思いながら読んでたんですが、今回は、
「ああ、こういう男にはなれんかったなぁ」
という感じで読むことになっちゃいました。
寂しいですなw。
結局身についたのは、
「スーツの時のハイソックス」
くらい?
それも徹底できてるわけじゃないけど、これは「真理」だったと、振り返って思います。
そういう表面的なところじゃなくて、「大人の男」っていう点では、「いやはや至りません」。
昔読んだ時よりも、その距離感を痛感しています。
「なれるかも」
って希望が潰えた後ですからね、何と言っても。


じゃあ、面白くなかったかというと、そうでもないですね。
むしろ「距離感」に実感を持てただけに、より深い意味で「理解」できたようにも思います。割と時事ネタも多いエッセイなんですが、それを超えて読ませるところはさすがです。
もっとも今の若い人に読ませるにはどうかとも思いますが。


今、塩野氏は文藝春秋で「日本人へ」ってエッセイを書いてますね。
新書にもなってて、僕も読んでるんですが、面白いし、考えさせられることも多いんだけど、刺激になることは少ないかな。
まあ僕も年をとったし、塩野氏の立ち位置や視点も本書よりは少し「上」になってるように思います。
それが悪いわけじゃないんだけど、ちょっとクダケて、下世話なところもある本書のスタンスが、僕は懐かしくも好きなんですよ。
ま、30年も経って同じことやっとれんてのもあるでしょうがねw。


本書には確か続編もあったはず。
そっちの電子書籍化も希望しております。