鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「特捜部Q 知りすぎたマルコ」

・特捜部Q 知りすぎたマルコ
著者:ユッシ・エーズラ・オールスン 訳:吉田薫
出版:早川書房(Kindle版)

特捜部Q ―知りすぎたマルコ― ((ハヤカワ・ポケット・ミステリ))

特捜部Q ―知りすぎたマルコ― ((ハヤカワ・ポケット・ミステリ))



「新作は年末年始に」
と思ってたんですが、我慢しきれずに手を出してしまいました。で、読み出したら一気に・・・。
う〜ん、やはり面白いですね、このシリーズ。


前作で登場人物の一人(アサド)が大怪我を負い、その回復過程での物語となりますが、怪我で障害を負ってしまった人物はもう一人いるんでね。そっち方面は深追いせずに、比較的あっさり復帰。
あんまりアッサリすぎて、「前作の展開は?」って気分にもなっちゃいましたが、レギュラーメンバーのアンサンブルが「売り」のシリーズだけに、これはこれで良し、と。


シリーズとしては結構陰惨な事件を題材としてるんですが、本作はその中では比較的「普通」。
「ODA不正」と「ストリートチルドレン」
がネタですが、今までの様なドロドロとした展開にはなりません。「それが不満」という書評も見ますが、コレはコレで良かったのかな、と。そう思わせるキャラクターの強さが、本作のもう一人の主人公「マルコ」にはあります。


ま、正直言うと、この「マルコ」がレギュラーメンバーに加わってくれれば・・・ってのもあるんですけどね。そういう展開を避けたところが、ちょっと不満と言えば不満。
これ以上、カールに人間関係を抱えさせる訳にはいかないってのもありますが。


主人公達の「謎」に加え、「人間模様」も少しずつ深まっています。
本作の「明るさ」に、レギュラーメンバーの行く末を重ねたくなるのは、かなり「馴染み」になっちゃったからでしょう。
そこまで甘くない様な気もしますが、できれば「マルコ」のような開けた未来が彼らにも訪れることを願いたいところです。


・・・あ〜、次はいつになるのかなぁ!!