鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「未来予測を嗤え!」

・未来予測を嗤え!
著者:小飼弾、神永正博
出版:角川oneテーマ21(Kindle版)

未来予測を嗤え! 角川oneテーマ21

未来予測を嗤え! 角川oneテーマ21



この2人の作者で結構期待してたんだけど、結果的には期待ほどでは・・・ってトコでしょうか。
もちろん断片的で面白いところもいくつかあったんですけどね。
例えば小飼氏がベーシックインカムとかベーシックアカウントの利点を論じるのに対して、神永氏が大学教授の実情を話して「そう上手くは行かないんじゃないか」って水を差したりとか、ビックデータによって統計学そのものの重要性が下がってくるんじゃないかと統計学の権威が言ってるあたりとか。まあ、自由に話している感じはありましたね。
「働く」んじゃなくて「所有する」って概念への切り替えに関する考察なんかは、ちょっと意外性もありました。
理系バリバリの2人が文系の重要性を語るあたり、ありきたりとも言えるんだけど、ベタ文系の僕にとってはちょっと嬉しかったかな。
人工知能やビックデータに対してポジティブなのは予想通り。この「予想通り」ってところがソコココに窺えて、それが期待感とのギャップになってます。
言ってることは結構尖ってるんですがw。


題名の「未来予測を嗤う」って言うのは、あまり内容を反映してないように思います。未来予測そのものをあまり評価しないっていうのはこの2人なら当然でしょうし、そもそも世間的にもそんなに信じられてる訳じゃないでしょ、「未来予測」。
人工知能やビックデータなんかを中核にして、「現代」の色々な課題について自由に話し合ったっていうのが内容としては正しいんじゃないかと思います。


内容の水準という意味では、今までのソレゾレの作者の作品を読んだ方が刺激的じゃないですかね。
ただこの二人に興味があって、何冊か作品にも目を通しているなら、二人が「今」をどう見ているか、という観点から、興味深く読めるかもしれません。
期待値は上げないようにしてねw。