鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ソーシャルシフト 新しい顧客戦略の教科書」

・ソーシャルシフト 新しい顧客戦略の教科書
著者:斉藤徹、伊藤友里
出版:中経出版(Kindle版)

ソーシャルシフト 新しい顧客戦略の教科書 (中経出版)

ソーシャルシフト 新しい顧客戦略の教科書 (中経出版)



「ソーシャルシフト」「BEソーシャル」の作者による新作。
両作は既に読んでいて、結構面白いとは思ってたものの、「これ以上は…」って感じもあったんですが、Amazonでセールをしていて、つい…。
またもやヤられてますw。



前 2作が(具体例は豊富に出てるけど)理論書だったのに対して、本書は「物語」形式のビジネス書。
「嫌われる勇気」なんかもそうですが、この形式のビジネス書には「都合の良い展開ばっか」って先入観もあって、ちょっと入り込みづらいんですが、本書はマアマアいい感じですかね。
ベースに積極的に「ソーシャルシフト」に取り組んでいる「 カスミ」(北関東の老舗スーパー)の事例があるのが、違いかもしれません。少なくとも「もしドラ」よりは面映くなかったです、読んでてw。



もっとも個人的にはもうちょっと理論的なところも整理して入れて欲しかったなって気分はあります。そういう役回りの人物も登場してて、そういうアクションをしてはくれているんですが、もうちょっと突っ込んで欲しいというか…。まあ、それくらいなら「ソーシャルシフト」や「BEソーシャル」を読み直せ、って言うことかもしれませんがねw。



あとラストになって「これから」ってところで終わちゃうのも、なんとも残念。
「本部改革」
やっぱこれが重要でしょう。
「続編をお楽しみに」
ってことかもしれませんが、寸止め感満載でしたw。



本書の場合は改革は「現場から」という流れになっています。
きっかけはトップの決断なんですが、正直言って途中のトップの関与は不十分。「物語」としては(現場の苦労が浮き立って)盛り上がるかもしれませんが、現実的にはこういう展開しちゃうと現場が沈んじゃうケースの方が多くないですかね。
「実験」は現場でするとしても、きっちり権限移譲もできるように、トップもその動きを不断にフォローする。
これが重要であり、だからこその「本部改革」だと思うんですが…。
まあ問題意識は読む人それぞれ違うので、これは僕の問題意識が感じさせることだってのはあるかもしれませんが。



でも面白いとは作品だとは思いますよ。セールス価格なら買って損はありませんw。
あと本書で紹介されてる「真実の瞬間」やオープンリーダーシップの考え方はちょっと個人的に深めてみたいな、って感じも持っています。
電子書籍化されてないのが難点ですがw。