鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!」

・ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!
著者:堀江貴文、岡田斗司夫
出版:徳間書店(Kindle版)



2010年から複数回(3回かな?)にわたって行われた二人の対談をまとめたもの。
収監やら大震災やらあった割には不思議なくらいブレてないところが「らしい」と言うか・・・。
良くも悪くも自分本位ですからな、お二人ともw。



仕事の話、貨幣の話、ロケットの話、アニメの話、評価の話・・・
まあ二人に興味があればどうぞ、ってとこでしょうか。
らしい「節」が聞けます。
僕は結構楽しみました。



読みながら考えていたのが「音楽業界」「音楽ビジネス」のこと。
最近、スガシカオ氏が「DLだけではビジネスにならない」旨のことを発言して、色々な意見がネットを飛び交ってますが、そのことが思い出されたわけです。
ま、二人に言わせたら、「今更、何言ってんだか」ってとこなんでしょうけどね。



スガ氏の発言については、僕自身も、
「今更言っても」
という気持ちもない訳ではないんですが、一方で「コンテンツ」の創作者をどうやって維持して行くのかっていうことを考えると、「アナクロな考え」と一刀両断もできないと思っています。
現在の音楽ビジネスの収益配分の仕組みが、あまりにも創作者に「薄い」ってのは事実のようですからね。
生活できなきゃ、最終的に作品を送り出す層は減ってきちゃうでしょう。



かといって、時計の針を戻すことは出来ません。
最近、iTunesMatchを使うようになって、ストリーミングの実用性を痛感しています。
iTunesMatchの場合は自分が購入した曲を聞いてる訳ですが、これだけストリーミングが使えるんだったら、Spotifyなんかのストリーミングサービスが流行するのも分かります。
アップルもBeats musicを買収したようですし、Amazonの参入も記事になっています。
音楽コンテンツの「保有」の仕方が抜本的に変わりつつあるのかもしれません。



日本の場合、著作権のあり方が他国とは異なっているので、それを障壁としてこうしたストリーミングサービスはそこまで隆盛しないかもしれません。
それはそれでいいいのかもしれませんが、だからってミュージシャンが儲かるようになる訳じゃないですよね。今だって「儲からない」って言ってるんだから。



タイミングとしては「ビジネスモデル」を変えなきゃいかんところに来てる訳です。
そして「変える」んであれば、抜本的に手を入れて、そこで創作者が収益の配分を今以上に得ることが出来るようなビジネスの仕組みを作る。
そういうチャレンジが必要なんじゃないですかね。
ストリーミングサービスはそのキッカケに出きるんじゃないかと思ってるんですけどねぇ。
もっと音楽を(量として)流通させて裾野を広げる。
まずは必要なのはそこではないか・・・と。



本書で二人が対談してるのを読むと、実にそういう新しい仕組み、そこでの経済構造の構築について目端の効いた話をしています。
その対象が「ロケット」やら「アニメ」やらだったりする訳ですから、単なる「もうけ話」を探してる輩とは、チョイ違う訳ですよ。
こういう「考え方」をする人材がもっと音楽業界には必要なんじゃないかなぁ・・・というのが本書を読みながら、僕が考えたことです。



ま、別に音楽業界に限った話じゃないんですがねw。