鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「あなたに似た人〔新訳版〕」

・あなたに似た人〔新訳版〕1、2
著者:ロアルド・ダール 訳:田口俊樹
出版:ハヤカワ文庫(Kindle版)



「あなたに似た人」は昔「田村隆一」訳で読んでますが、今回は田口俊樹の新訳で。
二本新たに収録されていますが、そのために改めて購入するほどではないかな・・・と言うか、もう前の訳と何処が違うのか、よく分かりませんでした(笑)。
まあ、「読みやすい」ってのは確かです。



僕自身は、「南から来た男」の印象が強すぎて、〔ギャンブルを題材にした短編集」と思い込んでたんですが、全部が「ギャンブル絡み」って訳でもないんでしね、コレ。絡んでるのが多いことは多いですが。
シニカルなユーモアタップリでありながら、「下品」にならない筆加減は「さすが」と改めて思わされます。どれもこれも味わい深い「逸品」です。



とは言え、やっぱり
「南から来た男」
ですかねぇ。
あとは「味」「おとなしい凶器」「皮膚」。
あ、全部「1」収録ですね。
「クロードの犬」シリーズをまとめた「2」も悪くないんですが、「1」の方が充実してるかなぁ・・・。



いずれにせよ、名作短編集なのは確か。
隙間時間のお供としては上質な時間を提供してくれます。
皮肉が利きすぎて、シニカルな気分になっちゃうかもしれませんが(笑)。