鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「福家警部補の挨拶」「福家警部補の再訪」

・福家警部補の挨拶



・福家警部補の再訪



著者:大倉崇裕
出版:創元推理文庫(Kindle版)



犯人目線で犯行の経緯が描かれ、その後、探偵がその犯行を暴くというスタイルの倒叙形式の推理シリーズ・・・と言うより、「コロンボ」形式の短編推理シリーズと言った方が分かりやすいですね。
作者もソレを意識して書いているようですし。
その「コロンボ」役が、小柄な女性警部補・・・というのが本書の特徴です。



いくつか書評を読むと、
「探偵役の福家警部補のキャラが薄い」
という指摘があります。
古い映画やお笑い、アクションヒーローものなど、サブカルへの造詣が深い等、決してキャラが薄いとは個人的には思わないのですが、「コロンボ」や「古畑任三郎」なんかに比べると、確かにインパクトは薄いかも。
今、テレビドラマ化されてるようですが、その点では「どうかな?」って感じはあるかもしれません(観てないんで、知りませんがw)。



でも短編小説としては結構楽しめましたよ。
それぞれに四話ずつ。
通勤時間や、隙間時間に読むのにはちょうど良くて、2冊をスルッと読んでしまいました。



「コロンボ」ものの場合、楽しみのポイントは二つ。
1 完璧と見えた犯行の、どこに綻びを見つけて行くのか。
2 犯人の退場の仕方。
個人的には特に「2」が重要です。
この手の作品の「キャラ」は「探偵」より「犯人」が重要なんですよね。
そのためには多少「1」の面が犠牲になってもOK。
いくつかはそういう作品もありますw。
(もっと根本的に、
「こんな凝った犯行を寝る必要性がある?」
ってのもありますが。でもそれを言い始めたら、成立しませんからねw)
でも総じて合格点には達してます。あくまで「個人的」には。



既に三作目も発表されていますが、これはハードカバー。
うーん、文庫化を待ってもいいかな・・・ということで、ここら辺で一段落。