・ビブリア古書堂の事件手帖５ 栞子さんと繋がりの時
著者：三上延
出版：メディアワークス文庫
シリーズ５作目。
前作は「長編」でしたが、本作では「連作短編集」の形式にもどっています。
この方がしっくりと来ると思いますね、本シリーズは。
取り上げられる作品は
古書業界紙である「彷書月刊」、
言わずと知れた手塚治虫の傑作「ブラック・ジャック」、
そして寺山修司の「われに５月を」。
これをメインに据えて、断章としていくつかの作品が言及されています。
全体としてはシリーズとしての安定感が増していて、安心して読めます。
強く打ち出されてきた母親との関係、主人公同士の恋愛模様あたりも程よく進展してて、
＜物語は折り返し地点を過ぎて終盤に入っています＞
って作者のコメント（あとがき）が実感できる展開です。
ラストの「引き」にもその気配。
ダラダラと続けられるよりは、こういう風に区切りを意識した構成ってのは好感が持てます。
（恋愛模様の方はどうでもいいっちゃぁ、どうでもいいんですがw）
次作はもう少しインターバルを短くして発表されるとか。
楽しみ、楽しみ。
