鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「一度、死んでみましたが」

・一度、死んでみましたが
著者:神足裕司
出版:集英社



重度くも膜下出血に襲われたエッセイスト神足裕司氏の復帰作。
・・・うーん、「復帰」と言っていいのかどうか?
でも「第一歩」なのは間違いないかな。



神足氏を知っている人間にとっては興味深くも感慨深い作品。
僕自身はどちらかと言うと「ラジオ」方面で良く耳にしてたけど、振り返ってみれば「金魂巻」やら「恨ミシュラン」やら、なんとなく同時代性も共有できるような、何だか「知らない人」とは言い切れない気分。
そういう人にとっては一読の価値はあるかもしれないけど、そうじゃないと、
「なんじゃこりゃ」
だろうな。
そういう意味じゃ、商業ベースギリギリの作品かもしれない。
むしろこの症状からここまで持ってきた。そのことが驚異なんだろうけどね。



家族に恵まれ、友人に恵まれ、運にも恵まれ。
こういう立場に自分が立たされたら、果たしてこんな「幸せ」を享受することができるか。
いやはや、自信ありません。
だからコソコソ走ったりしてるのかもしれませんなぁw。



「次回作に期待」
本作を貶めるんじゃなくて、強くそう言いたい。
そのことを作者自身も望んでいると思うから。