鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「漱石文学のモデルたち」

・漱石文学のモデルたち
著者:秦郁彦
出版:中公文庫(Kindle版)



「漱石先生ぞな、もし」を読んで、何となく夏目漱石モード(w)になってたところに、Kindleでふと目についてポチッとしちゃった作品。
作者は近代史の先生ですな、確か。
割と実証的なラインを堅持される方じゃないかって印象があるんだけど、これは思いこみかもw。



まあ作品としては、
「モデルが誰であれ、作品の価値ってのはそういうことで左右されるモンじゃないだろう」
と僕は思ってるので、「なるほどね〜」くらいの感想かな?w
多分、作者自身も「モデル論」と「作品」とは切り分けて考えてると思うけどね。
で、そう割り切ればナカナカ楽しくも読める。
結局「モデル」とされる人々と、漱石との関係、更にその向こうにある時代背景なんかが興味深いんだよな。
これはまあ、「漱石先生ぞな、もし」を楽しんだ感覚に非常に近しい。
だからあの作品を楽しめた人は本書も面白いだろうし、漱石に興味がない人にとっては、「こんなこと云々してどうなんの」ってとこだろう。
僕だって、読み終えて、「じゃあ、あの作品のモデルは?」って改めて聞かれたら「えっと〜?」ってのも少なくないからねw。(全くの無名人も多いし。「マドンナのモデル」なんか、「へえ?」としか言いようがない)
でもその人間模様に漂う「時代」の雰囲気と、漱石との関わり・・・これが興味深いんです。
ま、いい加減、僕も「漱石好き」ってことでしょうかw。
(その割に熱心な読者とは言えんけど。「道草」「明暗」は読んでないしなぁ)



実証を重んじる歴史学者らしく、調査は結構詰まってて、資料的な価値もあるのでは・・・と思わせる作品なのは確か。
僕は「ふーん、こんな感じかぁ」程度の読み込みでしたがw。