鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「40歳を過ぎたら、三日坊主でいい。」

・40歳を過ぎたら、三日坊主でいい。 新・ミドルエイジ論
著者:成毛眞
出版:PHP研究所(Kindle版)



確か成毛氏は「自己啓発本」に対しては批判的だったと思うんだけど、その割りにちょくちょく出してる気もしますな。
ま、その都度、読んでるほうも読んでるほうだけどw。
ただ目の着けどころがナカナカ面白くて、つい読んじゃうって言うのはあるんだよなぁ。
本書も出たのは知ってたんだけど、「読むまでもないか」と思ってたところ、TwitterやらPodcastやらで、「なかなか面白い」って情報が入ってきて、結局は電子書籍で見つけて購入しちゃいました。
面白かったから、それはそれでいいんだけどね。



本書の主張をザクッとまとめると、

「40歳過ぎたサラリーマンは仕事一筋じゃなくて、それ以外のコトにも目配りし、手を出さなきゃダメ。そうじゃなきゃ、定年後の人生が悲惨なものになっちゃうよ」

って感じかな。

その手を出すことを探す上において、「三日坊主」を奨励しているところが題名に繋がっている。何もかも「三日坊主で」って訳じゃなくて、「自分が打ち込めるものを探すまで、アレコレ手を出していいんだよ」ってことですな。
そういう意味じゃ、作者自身が本書を「脱力論」と位置づけてるけど、正にその通り。



でもその裏には、

<日本の四十代のビジネスマンの九割は、仕事に全力を注ぐ必要がない。>(はじめに)

という認識がある。
勝手に言葉を補足すると、

「日本の四十代のビジネスマンの九割は、能力がさほど高くないので、仕事に全力を注いでも会社・社会への貢献度は低く、(例えばサラリーマンなら)役員等になって60歳以降もビジネスマンとして活躍できることはない」

って認識。
作者は同様のことを「英語」に関しても言ってたね。(「日本人の9割に英語はいらない」)
厳しい。
でも事実でもある。
そして「仕事以外」のことに力を割くようになった結果、そこからサイドビジネスや社会貢献が生まれる可能性を語っている辺りが、本書の「救い」であり、「願い」でもあるだろう。



少し前に「40歳からの仕事術」って本を読んだけど、あれは自分自身の「資本」を見直し、戦略的にビジネスに投入していくって内容だったから、一見本書とは対極にある内容。
でも良く考えると、「自分の資本を見直す」って言う点では共通したところがある。
と同時に、「目の前の仕事」に没入することで近視眼的になり大局観や多様性を失ってしまって、結局は自身の「資本」を貧しいものとしてしまうことへの警告ってことでも通じる面はあるかな。
その見直した「資本」をどう投入していくべきか?

「今の仕事に」ってのが「40歳からの仕事術」。
「仕事以外の色々なことも選択肢に」ってのが本書。

そんな感じでしょうか?



個人的には「どうかなぁ」ってとこもあるし、作者の「切れ味」の良さには逆に「決め付け」の危険性も感じたりもする。
でもそこが作者の「味」なんだし、一面の「真理」があるのも事実。
だからそこからは自分で考えるしかない・・・というのが、ありきたりだけど、感想ですかね。