鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

大人向けの映画ですね。:映画評「風立ちぬ」

どうせヒットするでしょうから、もう少し落ち着いてから・・・と思ってたんですが、あまりの前評判の良さに、つい公開日に観に行っちゃいました。
金沢のユナイテッドシネマは存外、空いてたんで助かりましたがね。




「風立ちぬ」



「ジブリ映画」ということで家族四人で観に行きましたが、明らかに「大人向け」の映画。
「紅の豚」なんかも「子供向け」を意識していない作品だと思いますが、それでもあれにはアクションやらドンパチ、お笑いがありました。
本作にはそうしたファンタジーとしての枠組みは用意されていません。
「堀越二郎」の伝記映画・・・ではなく、堀越二郎と堀辰雄、更には堀辰雄の小説をミックスして主人公のキャラ/人生を組み上げているんですが、かなり地に足の着いた作品になってます。
零戦?
でも戦闘シーンなんか殆どないですからねぇ。



実に奥が深く、考えさせられる作品で、まだ僕自身、自分の感想を整理しきれていません。
「人殺しの道具である戦闘機を設計する」
ということと、
「美しい飛行機を創る」
ということ。
歴史の制約の中でその交差点に立たざるをえなかった主人公の有り様は、一言で規定できるようなものではないでしょう。



そして「恋愛」。
観終えて、一番思ったのは、
「予想以上に恋愛映画じゃん、コレ」。
「風立ちぬ」
うーん、正に・・・。
でもって、結構はまっちゃった自分がいます。
相当な「少女趣味」だと思うんだけどねぇ・・・w。



家族で行ったので、小3の息子と小1の娘も一緒に観ました。
寝もせずに、最後まで観てたので、「面白くない」ってことはなかったようです。
それでもラストになって思わず息子は「え?」と一言。



小説の「風立ちぬ」を知らなくて、第二次大戦/零戦の末路に関する知識がないと、そうなっちゃうよなぁ。
そーゆーこと、殆ど説明なしだから。
そういう意味でも、「大人向け映画」。



でも訳分からん映画を見るってのも、子供時代の体験では貴重だと思うんだよね。
そういう経験には本作はスゴく「向いてる」映画だと思います。
無理矢理付き合わせたって向きも、ない訳じゃないんですが・・・w。



ちなみに「ひこうき雲」。
無茶、はまってました。
荒井由美が高校時代に作ったというこの歌が、時代を超え、こんな風に胸に迫ってくるとは・・・。
これまた貴重な体験です。