鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「知の逆転」

・知の逆転
著者:ジャレド・ダイアモンド、ノーム・チョムスキー、オリバー・サックス、マービン・ミンスキー、トム・レイトン、ジェームズ・ワトソン/吉成真由美
出版:NHK出版新書



読み始めて読み終わるのに、結局2ヶ月くらいかかったかなw。
面白くない?
いやいや、かなり面白い部類の本に入ると思うよ。
ただ最近の読書スタイルがドンドン電子書籍に傾斜してるのと、6人のインタビューが収められているので、一人終わったら区切りをつけやすくて、何となく後回しに…ってとこはあったかな。
「これじゃ終わらん」
と思って、最後の二人は一気に読みましたがw。



6人のうち、僕が作品を読んだことがあるのが、
ジャレド・ダイヤモンド、オリバー・サックス。
読んだことはないけど、知ってるのは、
ジェームズ・ワトソン。
本書で初めて知ったのが、
ノーム・チョムスキー、マービン・ミンスキー、トム・レイトン。
でも読み終えると、全員が「現代最高の知性」だというのが納得できる。
そんでもって、みんな興味深い話をしてくれるんだよねぇ。
勿論、インタビュアーの仕切りがうまいってのもあるんだけど、それもこれも本人たちが「聞かせるべき中身」があってのこと。<六人に共通するのは「限りなく真実をもとめて」というような姿勢>(あとがき)



ま、本物ですよ、ホンモノw。



全員面白かったけど、個人的に最も興味深かったのが、「トム・レイトン」かな。
全く知らなかった人物だけど、学究の世界から、インターネットの最前線に紛れ込み、巨大なビジネスをコントロールしている。
そのビジネス内容はAppleやGoogle、Microsoftのように目立たないけど、確実に我々の生活に重要なポジションをしめている。
「ほう?」
と思わされたし、そんな存在がちょっと怖くもなる。
それでいて、その中枢にいる人物がこんな学者肌とは…。
アメリカの面白さと奥深さを感じさせる人物でもあるね。



読んだからって言って、何か実生活で役に立つかっていうと、まあそんなことはない。
でも、今の世界における一つの「知性」あり方を知るためには、手頃な作品じゃないかと思うよ。
彼らの作品を一つずつ当たるのはそれはそれで大変だしねw。
バランスの取れた作品とするために、インタビュアーもいい仕事をしてると思います。
テレビ番組にしても面白いと思うけど、それは予定されてるのかな?(NHK出版だし)