鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「知らないと恥をかく世界の大問題4 日本が対峙する大国の思惑」

・知らないと恥をかく世界の大問題4 日本が対峙する大国の思惑
著者:池上彰
出版:角川SSC新書(Kindle版)



1〜3は、確か「ちきりん」氏が「オススメする電子書籍」だか何かで推奨してて、まとめ読みしたんじゃなかったっけ。
あの頃より電子書籍のラインナップは充実してきてるけど、本書は依然として読む価値のあるシリーズだと思うよ。



本書については、「Gゼロ」時代…という視点から、世界を牽引して行く「大国」が失われつつある現在の世界情勢を整理して語ってくれている。
一つ一つの事象については、もしかしたら専門的に見ると物足りないところもあるのかもしれないけど、総体としての目配りはバランス取れてるように思うよ。こう言う形で世界情勢を定点観測してくれる…っていう点に、本シリーズの最大の価値があるんだよね。



少し前に読んだ「日本の選択」の場合は、同じように日本の状況・課題を概覧しながらも、池上氏自身の問題意識・価値観からの「提案」も強く打ち出す内容となっていた。
選挙速報なんかで見せてくれる「黒・池上」の姿がチラつく作品、と言ってもいいかな?w
それに比べると、本書のスタンスは「白・池上」。「こどもニュース」のお父さん的なスタンスで語られている。
そこんところがチョット不満…って言えなくもないけど、ここで解説される世界情勢に、ナカナカ「提言」なんかできませんわな。
(「それでも日本にできることがある」っていうのが、最終章ですが)



一年後に読むと価値は半減するけど、今読むには最適の一冊。
これが池上作品のポジション。
本書もまさにそういう一冊です。