鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「確証」

・確証
著者:今野敏
出版:双葉社(Kindle版)



今野敏の警察を舞台にした新シリーズ。
今回は盗犯専門の第三課を取り上げ、ベテランと女性刑事の「相棒」ぶりを描いている。
少し前から店頭で見かけるようになって気にかかっていたのが、Kindleに登場してるのを見つけて、つい「ポチ」。
一気に読み終えちゃったんだけど、さて300円ほど安くなってたKindleで購入して正解だったのかどうか。
・・・文庫で読むべきだったかなぁ。



いや、この作者なんで、面白いことは面白いんだよ。
アマゾンのレビューで、「鬼平」との共通点を指摘する感想があったけど、いいとこ点いてるかもね。作者の狙いは実際にそこら辺にあったのかもしれないし、そうだとしたら上手くテーマを取り込んでると思うよ。
ただそれが1000円を越える対価に見合うだけかって言うと、「微妙」。
文庫なら「○」だけどなぁ。



もう少しキャラクター、特に主人公二人の背景に踏み込んで欲しいっていうのが一番の理由かな。
そこら辺はシリーズが進めば深まってくる・・・ってことなのかもしれないけど、そういうのは「安積」シリーズでもやってるじゃんw。
折角の「相棒」もの、しかも年齢差のある「男女」なんだから、もうちょい微妙な機微みたいなところとか、危ういバランスみたいなのがあってもって思うんだけど、思ってるほどには突っ込まれないんだよねぇ(「容疑者」たちの関係に重ねるようなところはあるんだろうけど、これも曖昧な処理になってる)。「売り」はそこら辺を意識した内容になってると思うんだけどな。(TVドラマ化されるらしいし)
ま、そういう点は上手い作者じゃないかもしんないけどねぇw。



続編?
まあ読むかもね。でも文庫になってからでしょう。
それくらいが丁度いい作品じゃないか・・・ってのが今んとこの感想ですワ。